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深く舌を挿入して、絡めさせる。 怯えて少しばかり逃げがちになる彼が、僕のユニフォームの裾を握ってそれに応えてくれた時には、それこそこのまま死んでもいいとさえ思った。 そうして僕は優しさでそれに応えてくれる彼の下肢の服を取り去る。 恥ずかしそうに顔を背ける彼のそそり立っているそれをそっと手で包みゆっくりと口で包み込んだ。 「・・・やぁっ！・・・ぁっ・・・ん・・・。汚・・・い・・っすよぉ」 心の中で汚いものか、と呟く。 それから彼に反論の余地を与えない為に丹念な愛撫を繰り返した。 「・・・んっ・・・あ・・・ぁっん・・・ふぅっ・・・」 絶え間無い彼の淫靡な声にうっとりと耳を傾けながら、限界に近くなったそれに軽く歯を立て舌先で先端を抉る。 「っひゃぁ！・・・ぁ・・・や・・・もっ！」 出していいよ？と言うようにきゅうっと吸い上げると、そのまま彼は躰を硬くさせ、大きく震えながら、その欲を僕の口の中に放った。 それを僕は音を立てながら嚥下する。 「・・・子津くん」 目を瞑ってぐったりとしている彼の足をぐいっと持ち上げ、僕の唾液と、彼の先走りやらで濡れている後孔を指で撫でるようにマッサージをする。 弛緩していた躯が硬直を始める前に、指の一本を彼の中に押し込んだ。 暖かい粘液と、彼がその指を包み込む。 同時に酷く収縮して、躰を硬直させた彼を宥めるようにしながらゆるゆると中を広げていく。 苦悶の表情を和らげる為にゆっくりと愛撫を繰り返しながら、指の数を増やして奥へ、奥へと探っていく。 「・・・ぁっ！」 ある一点で彼の躰がびくりと大きく跳ねて、小さく彼が腰を揺らした。 僕はそれに少し胸を撫で下ろして、そこを掠めるようにして彼の中をほぐしていった。 「・・・ごめんね・・・。もう、我慢出来ないみたいだ・・・」 くちゅ、くちゅと濡れた水音を響かせるそこから、指を抜く。 一瞬素足になった彼の指先がコンクリートを掻いた。 「・・・痛くないように・・・するから・・・」 済まなさそうに言うと彼はキツイ快感から避けるようにして瞑った目をゆっくりと開いた。 それこそ花が綻ぶように。 透明な瞳が僕を射て、思わず視線を逸らしそうになった。 「――――・・・」 ゆっくりと彼の唇が開く。 「――――好きです」 優しく、それは優しく微笑んで彼は言った。 ねえ。何て言ったの？ 僕の事、好きだって言ってくれたの？ 本当に？ 嘘でしょ？ 君は優しいから、そう言ってくれるんだよね？ ねえ。 君は嘘つきだから。 優しい嘘をつくんだね。 ねえ。 子津くん。 ダメだよ。僕知ってるもの。一度として僕の事なんか見てくれなかったじゃないか。 目があってもにっこりって笑って。 『お疲れ様っす』 って。 恋じゃないでしょう？ ましてや、愛なんてもの持ってないでしょう？ 『キャプテンは凄いっすね！』 憧憬とかそういうものだろう。 ねえ、 ねえ？ 信じられないよ。 僕は卑怯だから、君の優しい嘘に依存してしまうよ？ バカだね。 「・・・・んっ・・・くぅっ・・・」 彼が喉を仰け反らせて息を詰めた。 眉間の皺を見て、そこをさするようにしながら僕は心の中で『ごめんね』を繰り返す。 ごめんね。 ごめんね？ 情けないキャプテンでごめんね？ でも、僕は君の優しさが好きなんだ。 君の嘘吐きなところが好き。 君が・・・慕ってくれるのが、好きなんだよ。 愛じゃなくて、いい。 恋じゃなくて、いいから。 それでも、何でも。 嘘でもいいから欲しいくらいに。 「・・・はっ・・・ぁ・・・・く・・・」 痛みに唇を噛み締める彼にキスをする。 痛いって言ってくれていいのに。 身を捩って耐えてくれなくていいのに。 ああ、でも。 温かい。 ゆっくりゆっくりと彼の中に収まる。 酷く温かかった。 「大丈夫・・・？」 彼に聞く。 「・・・・・」 彼はそれに言葉も無く、小さく頷く。 「・・・キャプテ・・・。キス、して下さいっす」 僕はその言葉に目を見張った。 「・・・え？」 「ダメ・・・っすか？」 「・・・・」 （ダメじゃ無いよ・・・） 心の中で呟く。 ダメじゃないけど・・・何で？ 何で？何で？ 何で？ どうして？ ゆっくり僕は彼に唇を寄せた。 外は夕闇に飲み込まれていく。 陽の光りの角度が変わったからか、彼の表情がよく読み取れない。 視界には彼でいっぱいで。 続く≫ ≪new[3] NOVEL back≫ [0]TOP。 |