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【キスから始まる】 「・・・お疲れ様っす、大丈夫っすか？」 本当に疲れてる様子の牛尾の前髪をさらっと撫で上げて子津は顔を覗き込んだ。 「・・・有難う、子津くん。・・・大丈夫だよ」 多分、と牛尾は笑いながら起き上がる。 「・・・三年になると忙しくてかなわないよ・・・」 そう言いながら淹れたての紅茶に口をつける牛尾を見ながら、子津は『それはキャプテンだけじゃないかな』・・・と思ったが、 「肩、良かったら揉みましょうか？」 にこりと微笑んで提案すると「ええ？それは嬉しいけど」と、牛尾は少し目を瞬かせながら子津を見た。 「こっちにおいでよ」 お盆を持ったまま、背後に回ろうかどうかと考えてる子津の腕をぐいっと引っ張って、笑う。 「わわっ」 びっくりしながら、子津は牛尾が座るソファへ雪崩れ込んでしまった。 「キャプテン、いきなりでびっくりしたっすよ」 されるがままに、牛尾の胸に飛びこまされる結果となった子津が、両手で牛尾の胸板を押して少しだけ距離を取る。 「はは、ごめんね？でも、肩揉みはいいからさ。隣に座っててよ」 にこりと笑う牛尾に、子津は仕方が無いなあ、といった感じでそのまま、ソファにぼすっと身を預けた。 「受験勉強大変っすか？」 牛尾は頭がいいし、財閥のお坊ちゃまなので、かなりのレベルの大学しか許してもらえないらしい。 子津にとっては、大学にレベルをつけるなんて、ナンセンスだと思うが。それはまあ、ある程度の目安だから仕方ないか、と思い牛尾を見る。 自分が納得出来ることを教えてもらえるならどこだっていいのに。 「・・・そうだね。勉強自体はそう苦でも無いんだけどね」 苦笑する牛尾の顔をじーっと子津は見る。 「東京の大学なんすよね・・・」 埼玉から、やはり距離があって、牛尾が卒業すると、満足に会えなくなるのか、と思うと遣る瀬無い。 「・・・うん。そう思うとね、余計疲れちゃうよね。わざわざ子津くんから離れるような勉強をしなきゃいけないと思うと」 ぐいっと頭を肩に引き寄せられて、子津は目を瞑る。 いつまでも一緒にいられるワケじゃないのは知っているけど。 神様は残酷だ。 こんなに好きなのに、一年足らずでこの人を遠くにやってしまおうなんて。 「でもちゃんと、するから。今の内に沢山勉強して、大学に入っても、子津くんに会いにこれるようにするからね」 くしゃっと頭を撫でられて、『わわ』と牛尾の手に触る。 「・・・、紅茶美味しかったっすか？ちゃんとキャプテンの言った通りに淹れたんすけど」 少し首を竦めたまま聞く子津に、牛尾は小さく笑って、幾分低い位置にある子津の頭に顔を埋める。 「うん。ばっちりだよ。凄く癒された。疲れも吹っ飛ぶよ。」 すりすりと髪の毛に頬を擦りつけてくる牛尾に、子犬みたいだなあと小さく笑いながら良かった、と笑う。 「きっと愛情がたっぷりだからだろうね。」 「・・・そ、そんな事ないっすよ」 照れて顔を赤くする子津に、牛尾は『うん？』と首を捻った。 「何、子津くんは僕のこと嫌いになったの？」 少し悲しそうな声で、耳元で囁かれて、子津は慌てて、『違うっす！』と否定する。 「ち、違うっすけど」 「違うけど、何？こうしてるのも、本当はイヤ？」 ぎゅうっと肩まで両手を回して、抱きしめてくる牛尾の腕にそっと子津は触れてみた。 「違うっす。僕も嬉しいっすけど・・・、ええっとそういうの言われるの、恥ずかしくて・・・」 牛尾はクリスチャンだからか、（といってもクリスチャンは同性愛を認めてはいないが）外国風の感覚でストレートに愛の言葉を口にする。 「そう？僕は嬉しいけどね。子津くんにいつも愛してるって言って欲しいよ」 にこりときっと悪戯な、でも本当はそうして欲しいって顔で笑ってるんだろうなあ、と顔は見えないが、思いながらぎゅうっと牛尾の腕を握る。 「・・・ずっとそう、思ってるっすよ・・・」 そういうだけでも自分には精一杯で、牛尾が望んでいるのなら、そうしてあげたいと思ってるのだけど。 「ふふ、子津くんはシャイだから仕方ないね。ベットの上じゃ結構大胆なのにね」 くすりと耳元で笑われて、かあっと赤くなる。 「キャ、キャ、キャプテンっ！！」 「もうキャプテンじゃないよ。御門さんだろう？」 からかわれて、恨めしく牛尾の方に顔を向ける。 「子津くん真っ赤。」 「・・・」 「可愛いから、許してあげるよ」 満足そうな顔でじっと見られて、子津は眉を八の字にする。 「・・・もう疲れは吹っ飛んだみたいっすね」 「うん、こうしてるとよく吹っ飛ぶけど、もっと吹っ飛ぶ方法教えてあげるね？」 「？」 「愛してるって言われてセックスする時」 臆面も無く、恥ずかしいことを言われて、更に顔が紅潮する。 「僕しばらく子津くんとあって無かったから、結構まだ疲れてるんだけどな？」 暗に誘われて、少し目を逸らす。 「・・・・大好きっすよ」 ぼそりと呟いて牛尾の唇に軽く触れる。 「・・・」 「これで勘弁してくださいっす///」 「・・・しょうがないね」 ちょっと驚いた顔をしてから、微笑んで顔を近くする牛尾に、子津はゆっくり目を閉じた。 END ＝懺悔＝ 全く題名と関係無い挙句、オチもなけりゃ盛り上がりもない。なんだこれ。 ら・・・らぶらぶ・・・こんな感じでらぶらぶしてるかな・・・どうだろう。どうだろう。折角リク貰ったのに、こんなんで果たしていいのだろうか・・・ごーん・・・。 ごごごーん・・・。リク下さった葵さま、へぼへぼでとても済みません・・・ 2004.04.04 ≪new[3] NOVEL back≫ [0]TOP。 |