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【Ｌ王国・キラ王国】 ※ 照×♀Ｌ ♀月×♀Ｌ 照→♀月 （♂竜崎？×♀月） 古代か中世っぽい感じのパラレル （エロ有り） かなり月ちゃんが悲惨かもしれないです。 ※ と、いう状況を踏まえた上でのパラレル（日記調小ネタ風）です。 ■２ そんな照さんは、Ｌとの縁談の話があがる十数年前に夜神家の長女である月ちゃんに出会います。 月ちゃんは国内一、といわれる程の美少女でした。健康的な肌色に、可憐な笑顔、聡明で立場を弁えた立ち振る舞い。どこをとっても完璧でした。 国内一の美女だ、と言われれば、はにかみながらも「国内一は皇女さまですよ」と謙遜しながらも褒めた相手を貶めず、嗜めるくらいの思慮深さに照さんはずっとときめいていました。 特に最初の出会いが強烈でした。まだ二人が幼かった頃、叔父について夜神家への行き道での出来事で一気に恋に落ちていたのです。 未だちらほらと現れる賊が領民を襲いかかっているのを発見した照さんは叔父に早く助けてくれるように進言するんです。ですが叔父が煮え切らない間に颯爽と上品な幌馬車が近づいてきます。 そこから現れたのは月ちゃんの従者のミサ（♂）。ミサは夜神家の傍流に当たるのですが、遠すぎる血で辛うじて名がある、という程度の支族でした。ミサは兄Ｌが王座につく前の戦乱で親を亡くしています。そして部族を殲滅しなかった兄Ｌに恨みを抱いて戦争孤児になりかけたところを、傍流だから、ということで夜神家の従者として仕えることになりました。 国は良く戦争孤児の面倒を見てはくれたのは知っていましたが、ミサはずっと不満でした。 「あいつ等に侵略で親を亡くした私達の何が分かるの？どうして裁いてくれないの？…私が失意のどん底にいた時、優しく辛かったね、って敵をとってあげるよ、ミサって言ってくれたのは月だけ」 そんな理由もあって、美しく、聡明な月ちゃんの為なら、ミサ（♂）は命を落しても構わないと思うようになっていました。それは、月ちゃんの恋人になれるならばそれが一番に越したことはありません。けれども、ミサと月ちゃんとの立場の違いは歴然としたものでした。 ですが、月ちゃんの理想の世界では、ミサも神の一族の仲間入りです。いつかは月ちゃんの伴侶になれるんじゃないか、という淡い期待をしながら、月ちゃんの傍で仕えていました。 そんなミサは賊に勇猛果敢に突っ込んで行きます。賊の腕が悪かったのと、ミサの腕が良かったのが相俟って多勢に無勢でしたがミサは勝ち、賊はたちまち倒れました。 血の海に、襲われた領民は辛うじて無事でした。襲われたのと、人が死んで恐ろしかった領民はガクガクと震えています。賊にはまだ息のあるものもいます。 安全になったのを知ると、馬車から一人の少女が降りてきました。一目で貴族の娘と分かる少女です。それが月ちゃんです。月ちゃんは国内一の美人で有名でしたから、助けられた領民の目にもそれが夜神家の長女であるという事はわかりました。 月ちゃんは血溜まりと化した殺戮の現場まで歩いていくと、その寸前の所で立ち止まりニコリと笑いかけました。「もう、大丈夫だよ。」と笑いかけて「無事でよかった」と笑います。貴族の娘にそんなことを言われるとは思っていなかった領民は涙に咽びます。それを尻目に月ちゃんは傲然とした強い視線で賊を見下ろしました。 「殺して、ミサ」 その命令にミサは喜んで従います。賊は断末の悲鳴をあげましたが、月ちゃんは冷たく「殺して奪おうとしたんだろ？自分が殺される覚悟があって当然だよね？」と言い放ちます。そして被害者の領民に「何かあったら夜神家までおいで」と優しく言ってその場を去ります。 照さんはこれだ！と思いました。これこそ、自分が求めているものだと、その毅然とした態度の月ちゃんを女神と崇めるようになりました。 そんな出来事があってから照は、領地を継ぐ前から、月ちゃんには思いは伝えてありました。 しかし月ちゃんは微笑み「有難う」というものの、中々靡いてはくれません。けれど、月ちゃんは照の女神です。女神ですからそれが当たり前と思っている照は特になんとも思わず、むしろなんて高貴なんだ！と更に熱をあげていきます。そして早く叔父の所領を継げないかと思っていました。叔父は月ちゃんと出会った時同様、あまり目立ったことが好きではありませんでしたから、なんの措置もとることはなく、領民はよく泣いておりました。そんな事もあって、照さんが叔父を否定する毎日が続いた頃、１８歳の時に叔父が流行り病で倒れてめでたく叔父の所領が照のものになりました。 つづく。 NOVEL [0]back |