|
【Ｌ王国・キラ王国】 ※ 照×♀Ｌ ♀月×♀Ｌ 照→♀月 （♂竜崎？×♀月） 古代か中世っぽい感じのパラレル （エロ有り） かなり月ちゃんが悲惨かもしれないです。 ※ と、いう状況を踏まえた上でのパラレル（日記調小ネタ風）です。 ■３ 照さんの管轄地になると、国の法に背かない程度で、めきめきと領内を改革していきました。時々やり過ぎてしまいそうになったこともありましたが、そこは月ちゃんに上手く誘導されて上手くやっていきました。そうして４年の間に照さんの所領は他にも鳴り響くくらいの豊かな土地になりました。 その４年間の間、月ちゃんとの仲はというと微妙なものでした。はっきりと断るわけではないのですが、気のある素振りも見せます。１６といえば婚期でもあるので、照さんは必死にアプローチをします。女神が変な人間の元に嫁がなければならないのなら、まだ自分の所の方がマシだと思っていました。 その時月ちゃんはというと、随分と迷っていました。照さんは使えるコマではありましたが、所詮地方貴族に過ぎません。月ちゃんは出来るならまだ正妃をとっていない兄Ｌの元に嫁ぎたいと思っていました。 この世の中では女性は貞淑に、淑やかに男性を立てて生きていかねばなりません。 女性である月ちゃんはそんなのは可笑しいと思っていましたから、それが内心我慢できずにいました。素晴らしい女性だ、と褒められる度に内心唾を吐いていました。 女性だろうが、男性だろうが、能力のあるものがトップに立つ。そして然るべき改革をなす。それが月ちゃんの理想でした。 けれども、月ちゃんが女性である以上、その願いが叶うことはありません。それに貴族とえいども、月ちゃんは王族ではないので、その願いを叶えようと思えば、王族である兄Ｌの元に嫁いで、男子を産み、裏で糸を引くことが最善でした。しかし、月ちゃんのアプローチを兄Ｌはものともしません。パーティで会うことがあって得意のスマイルを披露してみせても我関せずです。そんな中、密偵（高田くん（笑））に聞いた兄Ｌの不治の病の噂。 これは月ちゃんの計画として、とっても重大な誤算でした。月ちゃんは今は兄Ｌを落せずとも、周囲から、そして自分の魅力で以って確実に落せる自信があったので少し焦りました。兄Ｌが死んでしまうとしたら、次の王はその妹であるＬちゃんが女王として立つのが道理です。ですが、女王は軽んじられるもの、必ず婿をとります。月ちゃんは女性ですからＬちゃんの婿になるわけにはいきません。月ちゃんは歯噛みをしながら考えます。Ｌちゃんの産んだ男子と、自分の産んだ女子をくっつけて、裏から糸を引くか…。しかし、そんなこと、いつになるかわかりませんし、確実ではありません。 考え込んでいた時に、布石として動かしていた照さんが役に立つことに気付きました。 これまで何かあったときの為に、着かず離れず照を手中に収めていたのですが、その照が婿候補にあがっているというのです。それを利用しない手はありません。 照は月ちゃんにメロメロです。Ｌちゃんがどのような女性かは会ったことがなかった月ちゃんは知りませんでしたが（何しろＬちゃんは表に出てこないので有名でした。ただ、悪癖もちで、目の下に大きな隈がある不美人であるという話だけが先行していました。勿論皇女をけなすわけにはいかないので、その病的な程の白い肌が、黒耀石のような黒い眼と髪が美しいという褒め言葉もありましたが）月ちゃんはＬちゃんを軽んじていました。兄ＬがＬちゃんを溺愛しているというのは門外不出のものでしたから、月ちゃんはＬがどういう人物かなんてちっとも知りませんでした。 そうなれば、照さんを王様につけて、月ちゃんがその愛人になる事が一番の近道になりそうです。照さんは月ちゃんにメロメロ（笑）ですから、Ｌちゃんとの間に子供を作らせず、そうして月ちゃんが照さんの子供を孕めば、王家の血は流れていなくとも、十分に王座を狙えます。 確実に兄Ｌが死に行く定めにあるという情報を同じく自分にメロメロである密偵高田くんから聞いた月ちゃんは照さんを呼び出します。 そして呼び出した照さんに、「貴方のことを好きですが、私には皇族護衛人である高田くんからもプロポーズを受けています。高田くんの方が身分が高く、私には断ることが出来ませんでしたが…私の気持ちは…。近々色よい返事が貰えなければ強引に婚儀を取り付けようという悪しき計画をミサが掴みました。…今まで貴方に迷惑をかけまいと思ってきましたが私は」と告げます。それを聞いた照さんは単純に「そうだったのか！」と喜び、あるいは怒りに震えます。女神である月ちゃんはずっと照さんのことを見ていてくれたけれども、身分による圧力によってその仲が引き裂かれようとしていたのかと、照さんは闘志に燃えます。 そうして照さんは月ちゃんの足元に跪くと、神！のポーズで月ちゃんを崇めました。（笑） 自分のことまで案じていてくれていた女神、その女神の為なら命すら惜しくありません。 そして大丈夫です、と熱っぽく囁きます。 「今や私は名うての領主です。高田にもひけをとりません。私が貴方を幸せにします」 月ちゃんは涙を浮かべてにっこり「愛してます」と微笑みます。内心「計画通り！」な腹のうちは一欠けらだって出しません。女優です（笑） そうして思いの通じた二人はめくるめく夜の世界に突入です。 そして月の望みで既成事実まで作ったものの、もう少し秘密にしておいてくださいということで二人の仲は水面下で進んでいくのですが、その頃には王家で照さんをＬちゃんの婿にする為に要請を出すことに決まりました。Ｌちゃんは兎も角、本人が望まぬならばそれでいい、としてその使者は照さんの元に訪れます。 照さんは狼狽します。何しろ相手は皇族ですから、一言に断るわけにもいきません。断るにしても順序を踏まなくてはならず、照さんは途方に暮れながらも、断る準備を進めようとします。 しかし、そこにどこから聞きつけたのか（月ちゃんは計画通り！）、変装した月ちゃんが照さんの元にやってきます。 その月ちゃんは言うのです。「照にはやるべきことがあるんじゃないのか」と。 確かにそうです。照さんの信念の中には能力があるものが、その能力を惜しむことをするのは犯罪である、という認識があります。 自分には一国を統治できるだけの能力がある。だから王家も地方貴族でしかない照を婿にと言ってきたのです。 でも、王家といえば、照の領民がどれだけ悲惨な目にあったかも知らずに殲滅を行わず許した憎むべき相手です。それに月ちゃんのこともありました。 けれども、月ちゃんは真摯な目で訴えます。「個人の気持ちよりも、感情よりも、民の幸せが一番ではないのか」と。 月ちゃんが言うことは正義の言葉です。確かにそうした方がいいのは分かりますが、照さんにはもう一つ気にかかることがありました。皇女のＬちゃんです。 婿になる以上は月ちゃんへの思いを断ち切って、Ｌちゃんの伴侶になることに努めなければなりません。その逡巡を見抜いたのか、どうなのか、月ちゃんは綺麗な瞳に涙を浮かべながらこういいます。 「私のことは気にしないでください。…私の思いは、ずっと。私は貴方が理想の世界を作るためなら喜んで犠牲になりましょう」 犠牲という言葉を聞いては照さんはどうにも出来ません。 照は考えます。 もし、Ｌちゃんの旦那さんに自分の以外の者がなったとして、その人物が民を虐げるような人間だったら、民が犠牲になる、と。 だが、自分がＬちゃんの婿になれば、月ちゃんが犠牲になる、と。 そして、ふと、照さんはＬちゃんが嫌なら本当に断っていいと言っていたのに賭けることにします。 Ｌちゃん直属のワタリに『好きな女性がいる、それでもいいか』と告げることにしたのです。本来なら死刑ものかもしれませんが、変人と聞いていたＬ皇女は合理的であるとも聞いていたので、それに賭けてみたのです。 返信は『別に構わない』という事でした。それは時期を見れば月ちゃんを側室に迎えることが出来るという意味に他なりません。本当は月ちゃんを正妻にしたいところですが、国が一番大事です。これならば、正妻ということにこだわらなければ、問題は全て解決です。 そうして、照さんはＬちゃんのお婿さんになることに決めました。 つづく。 NOVEL [0]back |