|
※Caution！ ※女体化です。Ｌたんが女の子です。 ※女の子な挙句なんだか色々ありそうな予感です。 ※とりあえず、Ｌたんと月くんの大学辺りまで原作沿いな感じです。 ※この作品は2005.06.30辺りにアップしていたものの再録です。 ※続き物の予定ですが、ノベルにやってきてしまいました。続きはまだまったく書いてません…。 以上の内容でもオッケー！という方のみお読みくださいませ～。 ▼▼【柘榴】 しまった、とＬは思った。 ここ何年もそれは無かったから、忘れてしまっていた。 うっかりと。 …いや、直視したく無い現実に目を逸らしていただけかもしれない。 まあ、どちらでも構わない。それについては後で考えれば良い事で、今は兎に角 現状をどうにかせねばならなかった。 【柘榴】 顔色が悪いな、とそう月は思った。 ひっそりと教室の隅に月とＬは座っている。 最初は授業中だったので何も言わなかったのだが、どんどんとＬの容体は悪くなっていっているようだった。 流石に少し心配になる。風邪でもひいたのだろうか。ともかくも月はＬに声をかけようとした。 「…！」 刹那、Ｌの体がグラリと傾いだ。月の方に倒れてくる。 「おい、流河！」 肩を抱いて、気を失ったらしいＬの顔を覗き込んだ。本格的にＬの顔色は悪い。 月の声に反応した周りと、それに気付いた講師がざわついて声をかけて来る。 「流河がどうも気分が悪いみたいで、医務室に運びます。僕一人で大丈夫ですから、…ええ。授業を中断させてすみませんどうぞ先に進めて下さい。」 月はそう伝えると鞄を背負い、Ｌの体を抱え上げた。 力を失った体はぐにゃりとして抱えにくい。気を失った人体というものはここまで抱え辛かったかな、と月は思う。 皆の注目を集めたまま、月は講堂を出た。 医務室には誰もおらず、月はＬをベッドの上に横たえた。 脂汗がひどく、普段は赤い唇が今は真っ青だった。 熱は無いようで、月は少しだけ対処に困った後、Ｌの汗だけ拭う事にした。 (…捜査の根を詰めすぎなんじゃ無いか…？) 目の下にはしっかりと大きな隈がある。 指の腹で目の下を撫でた。 「…ぅ…」 滲み出た脂汗を拭いていた時はぴくりともしなかったＬが、小さく身じろいでゆっくり覚醒した。 「…ここは…医務室ですか…？」 「ああ。そうだ。気を失ったから、運んで来た。…大丈夫か？」 ええ、ご迷惑をおかけしました、大丈夫です。とＬは答えた。一瞬で自分の置かれた立場を理解する頭脳に流石Ｌだと思った。…まあこれくらい聡い人間ならすぐに気付くだろうが。 「…おい、流河。まだ起きるなよ、寝ていた方がいい」 むくりと起き上がったＬを押し留めようとする。Ｌは眉間に皺を寄せて「いえ」 と月を制した。 「いえ。…ちょっとトイレに行きたいので…」 「ああそう。…大丈夫か？付き添おうか」 「…いえ、結構……」 Ｌが少しおかしな動きをした。 月にとってＬは敵だ。深く踏み込もうとも思わない反面、勝利の為にもＬの事を知らなければならない。 何がひっかかったのかは知らないが、Ｌが隠した物を暴く為に月は「失礼」、とＬが隠した掛け布団を捲った。 「！…な？！お前、どこか怪我しているのか！…いや、ならばここにいないだろうし…。…医者を呼んだ方が…いや、救急車か？下血ならー…」 言って月はＬを見た。 不意にピースが繋がった気がした。 背も高い。筋張った手は、男にしか見えない。 しかしＬはどこに行くのでも長袖のTシャツ、それとジーンズだった。 テニスウェアにも着替えた事は無い。 「…お前…」 先程酷く抱え辛かったのを思いだした。 「…女…か？」 Ｌの表情は変わらない。 「全くおかしな事を言いますね。」 Ｌの声音は変わらない。 しかし月にはしっくりした確信があった。 「そう。それじゃあ、医者を呼ぼうか？」 「いえ。分かるでしょう、夜神くん。Ｌである私を外の医者に見せるワケにはいきません」 淡々と答えるＬに、月は薄く笑った。 「そう。そうやって躱して来たワケだ。」 「…しつこいですよ、夜神くん」 「…別にさ、いいんだよ。流河が男でも、女でも。…でもさ、知ろうと思うならそのシャツを一枚捲るだけでいいんだよね」 「…」 「それに、分かるだろう？」 言われて、Ｌは溜め息をついた。 もうＬがトイレに行くだけで済まそうとした所で決まってしまったのだ。そして、今も。 下血ならばこんな所でうだうだ話てる場合じゃ無い。 Ｌが諦めたように「その通りです」と小さく呟いた。 ・終わり・ ………………… ■後書き デスノを取り扱い始めてすぐに書いた作品ですね～。にょたとしてはひぐらしよりも先輩です（笑） 元々女体化は苦手だったために、こっそりと配置して、サイト移転と共に下げた作品だったのですが、なんとなく発掘してしまいました。 再アップ2007.06.20 NOVEL [0]back |