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※色々と壊れているのが赦せない方は、ご覧になられないほうが宜しいと思われます。 ※キラ事件があったのに、皆生きてます。 【ネイト・リバー氏の憂鬱】 ＨｅｌｌｏＥｖｅｒｙｏｎｅ。 ＳＰＫ捜査本部のアイドル、ニアことネイト・リバーです。 私の最近の悩みといえば、『Ｌ』です。皆さん知ってますよね、世界１番の名探偵のコトです。 別に、私が３代目の『Ｌ』に就任したことで、何か問題が起こったというわけではありませんよ。 私の言う悩みの種の『Ｌ』というのは、そう、先々代『Ｌ』、日本捜査本部で『竜崎』と呼ばれていた、尊敬するべき男の事です。 ワイミーズハウスで『Ｌ』といえば、憧れの存在です。至上の存在です。 Ｌは殆どと言っていい程、姿を現すことはありませんでしたが、ワイミーズハウスには何度か足を運んでくれました。 『Ｌ』としてのＬも、生身の人間としてのＬも、私にとっては尊敬し、敬愛するべき相手でした。この私が一生かけても追いつかないと思うくらいの人間でした。 そんな相手とのホットラインで、今、私はまごうことなくうんざりしています。 「はい…はい…、あの、Ｌ。もう切っても宜しいでしょうか…」 「何言ってるんですか、ニア！貴方が私達の話を聞きたいと言ったんじゃありませんか！まだまだ序の口ですよ！！」 ウキウキといった様子で、２４時間ぶっ続けで喋り続けるＬを、流石というべきでしょうか？それともハッキリ言ってウザイと言っていいものでしょうか？ 「それでですね、月くんがこう言ってくれたんです。『愛してるよ』と！」 確かに、私は私が３代目になることを与儀なくされたコト、世間でのキラ事件がピタリと止んだことに対する経緯を話してくださいとお願いしましたが、けっして、ノロケ話をしろ、とは言ってないワケです。 ええ、察しの良いお嬢様がたは、私の悩みの種に気付いてくださったのではないかと思います。 そうです。Ｌが色惚けました。 しかもお相手は男で、前代未聞Ｌの宿敵、キラです。 「当時は手錠生活中で、私も彼にすべてを預けることは出来ませんでしたが、キラに戻った月くんはやはりこう言ってくれたんです。『君の為ならキラを捨ててもいい』」 「あ、はい、そうですか…」 「なんですか、ニア！もう少し驚いてもいいんじゃないですか？！相手はあの世界を震撼させたキラですよ！？」 「…わー、凄いですねー、『あのキラ』ですからねー」 「なんだか釈然としませんが、ま、いいでしょう。『愛は勝つ』んですよ！ニア！」 私のやる気のない感嘆の声に、Ｌは些かむっとしたようでしたが、すぐにふっきれたようで爽やかに言い切りました。 Ｌ、そこのセリフ、変わってませんか？最初は『正義は勝つ』ではありませんでしたか？？そのやたらめったら宜しい頭はこのセリフ、覚えてませんか？？？ ああ、電話の向こうで「ふふ、まだニアとお喋りかい？ちょっと妬けるな」とか言ってやがるんじゃありませんよ、夜神月。何が「ふふ」ですか、気持ち悪い。こちとら２４時間ずっとＬのノロケ話に付き合わされているんですからね！？本当なら今すぐ逆探知してミサイルぶちこんでも宜しいんですよ？まあ、今は色ボケてしまったＬですが、これでも私の尊敬するべきＬなので、そんなこたぁしたりしませんがね。………最終手段です。 ああ、私がどうやって、Ｌの裏を掻いて非常にわかりにくいＬのネットワークを逆探知するか考えている間に、めくるめく愛が繰り広げられているじゃありませんか。正直・わたし、他人の唾液が絡み合う音なんざ聞く趣味なんざありはしません。はい。 「…もう、切っていいでしょうか、Ｌ」 今すぐステルスの発射ボタンを兎に角なんでもいいから押したい心理状況をよく制しているもんだと思います、我ながら偉いです。誰か褒めてください。 「…はふっ、あ…はい？…ああ、そうでしたね」 こんなに迷惑をかけている私の存在、すっかり忘れていませんでしたか、Ｌ。 「では、また此方からかけなおしますね。まだ１０ぶんの１も説明できていませんし。」 あれでですか！？！？何時まで続くんですか、私の苦行は！ 「それでは、また…。ゃ、まだ、月く…」 プッ…ツー、ツー、ツー…。 「…ジャバンニ、レスター、リドナー…速攻で回線をシャットダウンして新しいシステムを構築してください」 「「「はい…」」」 一生Ｌからの電話がならないように、彼らに不眠不休で頑張り続けてもらいましょうか…。 でも此方の努力を嘲笑うように、その気になったＬは一時間もしないうちに私へのホットラインを結んでしまうんでしょうね…。 ああ、憂鬱です。 ＥＮＤ …たまにはバカップルな月Ｌはどうでしょうか。（笑） 2007.07.17 NOVEL [0]back |