【狂った獣】



 狂った獣のようだ、と月は思った。
 シーツを掻き毟るLの手の甲に筋が浮かんでいる。
 ひゅうっと喉を鳴らしながら漏れるLの声が、ベットにくぐもった音として吸い込まれた。
 浮いた、肩甲骨。細い腰。震える足。
 時折長い前髪の隙間から見える濡れた漆黒の瞳も、赤い唇も、全てをくらい尽くしてしまいたい。
 飢餓した獣はLの中でしか静まることを知らない。
 はまってしまえば、配慮という名の理性は、一欠けらも残さず熱くなった炎に燃えつくされてしまっていて、残っているものといえば、潤うことのなさそうな飢餓感と、ベットに伏せる彼の事を愛しているんだという感情だけ。
 もっと、もっと、もっと。
 月の精でぐちょぐちょに濡れそぼったLの中は、昆虫を惹きつける花の蜜のようだ。
「あっ、ぁっ…!らい…とっ…く…っ!!」
 啜り啼くような甘い声に、神経が焼ききれてしまいそうだと月は思った。
 痙攣する内股は絶頂が近い証拠。
 愛おしいと感じているから、早く楽にしてやりたいとも思うが、それ以上にもっともっと、貪りたいと思う欲求に、勝てない。
 愛おしい。恋しい。狂おしい。
 どんな言葉も今の感情にはあてはまらない。
 もっと、もっと、それ以上。
 Lの中を月の全てで埋め尽くしてしまいたい。
(だから、君のナカでだけ、僕を感じてくれ…)
 月もそろそろ、限界だ。
「L、L…」
 繰り返し呼ぶのは僕を知って欲しいから。
「らいとくん」
 引き攣ったようなLの声が月の名前を呼んだ。

 狂った獣はLのナカでだけ、ひっそりと眠る。



懺悔。
何だ、私、飢えてんのか。(その通り)
月L月L月L月L…。おおおお。(てゆーか、これ、18?15?禁?)
恥ずかしい。(早く気付け)
ああ、月Lを浴びるように読みたいです。
ごめんよ、メロ!(メロLも大好きさ!)

夢見すぎです。

2006.05.03


残酷ピエロは3度啼く

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