0 0 0 6 3 1 SpecialThankyou☆ 世界で一番の時計技師になった。 【糸の切れたピエロは 自分の足で歩き出す】 事件の後、私はワタリに引き取られ、数年後にそれまで閉じ込められていた才能を、小さな工房で遺憾なく発揮した。 私は色々な時間を詰まった時計を修理する毎日を送っている。 時計が息を吹き返すたびに、幸せな気持ちに満ち足りる。 けれど、本当に直したいものを直していない気がして、 幸せだが、何か大事なことを見逃しているような気がしてならなかった。 「Excuse me…」 「いらっしゃい…ませ?」 イギリス、ウィンチェスター。 小さな工房で、懐かしい声を聞いた。 「…時計の、修理を…頼めるかな…」 懐かしい声の主は私と同じく、少し動揺した声を隠しながら近づいて来た。 「品物を…見せていただけますか…?」 何故、こんなにも心が揺れるのか分からずに、手を差し出した。 時計に、手が触れる。 「…月くん…」 「 L 」 時計に閉じ込められていた記憶が一気に甦った。 「お前は今、幸せか?」 「貴方は今、幸せですか?」 今日の空は突き抜けるような晴天だ。 お礼SS・その後 FIN …………………… [0]TOP-Mobile- |