■【タイム・リープ〜凍結氷華〜】■ 04

※性描写が入ります。お気をつけください。


束の間の休息。


【タイム・リープ】
〜凍結氷華T〜#4


長丁場になってもいいように燃料を足すと、着重ねた服を脱がしてから、竜崎を寝床に押し倒した。それから自らも服を脱ぎ捨てると覆いかぶさる。
唇を啄ばむようにしてから、ゆっくりと重ね合わせ、横になると一層ぺったんこになる竜崎の胸を寄せるようにして揉みながら下半身を擦り付ける。
「んっ…当たって、ます」
竜崎がキスの合間に眉間に皺を寄せて訴える。それに「大丈夫入ってない」と答えると、封じるように舌を忍ばせた。そうして竜崎の甘い咥内をたっぷり味わってから愛撫を下降させていく。マーキングをするように時折吸い上げて痕を残しながら胸の尖りを口に含むときゅっと竜崎の体が縮込んだ。
舌先でくすぐり、甘く噛んで吸い上げると竜崎の骨ばった指が月の腕を掴む。一度に両の胸を弄って、更に余った手で内股を撫でまわすと、眉根をぎゅっと寄せた竜崎が「さっさと突っ込んで終わってください」などと言うので、「やだよ。僕がしたいのは自慰じゃなくてSEXだよ?ちゃんと竜崎にも気持ちよくなってもらわないと」と答えた。
本当に、履き違えてもらっては、困る。以前、恋とは自覚せずに、衝動だけで事に進もうと思っていた頃でさえ、そんな事はできやしなかったろう。自分で言うのもなんだが、基本的に優しい男なのだ。
そろりと内股の付け根を指先でなぞると「私はいいです」なんて竜崎が重ねるものだから、月は笑って無視をした。
付け根をもマッサージでもするように撫でてから、指先を移動させる。蜜を含んだ花びらを開いた。
「…っ」
蜜を掬い陰核に塗りこむようにすると竜崎の体が跳ねて、逃げ出そうとでもするように身じろぐ。
その反応に月は一度軽く体を離すと、起き上がろうとする竜崎を押さえこみながら、ぱぱっとその手を一つに頭上に纏めあげて、縫い付けた。
「やっぱりレイプする気ですか」と声を掠れさせて静かに糾弾する竜崎に「ううん?」と月はいっそ華やかに笑ってみせた。
「声抑えてるの、大変そうだから」
言って、片手で竜崎の手を封じ込めたまま堅くしこった乳首と陰核を同時に攻める。
竜崎が喉を晒してぎゅっと全身に力を入れた。
何度も蜜を塗りこみながら刺激を与えると、きつく閉じた唇を裏切るように喉が鳴る。
それでも声を上げようとしない竜崎の頑固さに半ば呆れながら、ぷっくりと充血したそこから離れて、洪水のように蜜を垂れ流すそこに指を這わせる。つぷりと指先を埋め込んだ。
ようやく、「あっ」と声があがる。
「そ、そこは、ダメ・・・だとっ」
「大丈夫、指じゃ妊娠はしない」
言い捨てて、濡れているくせに堅い肉に自覚させるよう、第一関節まで埋め込んでやわやわと刺激する。
「でも、そこは、関係…ひっ」
じたばたと暴れだした竜崎を叱るように更に指を入りこませると、竜崎は月の細めの指でさえきゅうきゅうと締め付けるので、月は顔を歪めた。脳内の信号が点滅して、熱をどっと排出する。これは後ろを解している時間まで持たないと判断して月は指先を抜いた。
「っは…」
異物を除かれて息を吐いた竜崎の戒めを解くと、両足の膝裏を持ち上げて、ぐいっと竜崎の胸につけるように押し上げた。浮き上がった腰を目の前に、月は躊躇いもなく口を寄せ、吸い付く。竜崎がどんぐりのような大きな目を更に剥いて驚き声を上げた。
「やっ、ちょ、なにす…っ」
起き上がろうとする竜崎の秘所をベロベロと舐める。
「やめっ…あっ、ぅ!」
起き上がるのが無理だと判断した竜崎の両手が月の頭を押しのけようとする。そして、押しのける筈の指先がぎゅっと月の髪を握りこんだ。
(ちょっと…痛いんだけど…)
思いながら、溢れた液を吸い上げるようにして一度だけ口を離す。竜崎の足を持ち上げた片手を離して、その手に口の中の唾液混じりの蜜を垂れ流すと、くちゅくちゅと伸ばしてから己の陰茎を掴んだ。
自身を擦り上げると、自然溜息が漏れる。再び口淫を施されていた竜崎が、その度にビクリと竦んだ。
「う…あっ、月く…っ、やめ…っ、や、い・や・だっ」
竜崎が泣き言を漏らしながらぎゅっと丸まった。頭皮に強烈な痛みを感じながら竜崎が頂点に達したのを感じると唇を遠ざけ足を解放した。力を抜いた竜崎に覆い被さる。
口付けると朦朧としているにも関わらず首を振るので、宥めるように「竜崎」と呼ぶ。ぼんやりとした、でもすぐに理性を取り戻した瞳が月を数秒観察して観念したように目を閉じた。それから月の体に腕を廻す。
「っは、…りゅうざ…う、…んっ、あ」
唇を重ねあわせつつ上り詰める瞬間は、身悶えてその肩に顔を埋めた。びくびくと震えながら自らの欲を竜崎の腹にぶちまけると、自らが汚れるのも構わず、その上に倒れ伏した。


「ねえ、竜崎?」
ぶすくれていると益々不細工になるなあ、などと思いながら身支度を整えて、遅い朝食を摂ることにする。
「ほら、竜崎、たべよ?」
ティーカップに熱い紅茶を注いで、パウンドケーキも皿に盛り付けてから置いてやる。未だ寝床から離れない竜崎に手招きするが、膝を抱えたまま横たわった竜崎はぎろっと月を睨みつけてぷいっと背中を向けてしまった。。
(そんなに怒ることないのに…。イかされたのが嫌だったのかな…)
笑顔を浮かべながらそんな事を思う。下手に手を出したら噛み付かれそうな機嫌の損ねようだったが、今なら噛みつかれるくらいいいかと差し伸べると竜崎はその手を一瞥しただけで目を瞑って無視をした。
「ねえ、竜崎、お腹空いてるんじゃないの?紅茶だって冷めるよ?ほら、僕が悪かった。怒ってるのは分かるけど、ちゃんと食べよう?」
幾ら下手に出ても、時には脅しすかしても、竜崎は錘でもついているようにそこから動かない。遂には布団を頭まで被ってしまった。しばらくこのまま放っておくか、と思ったところで、きゅる、という音が聞こえて吹き出す。
「何、やっぱりお腹空いてんじゃない。ほら、意地張ってないで」
今度は鼻先でちらつかせてやろうと皿を横になった竜崎の目の前に置くと、やっと布団から顔を出し、手を伸ばしたと思ったら、そのまま手で掴んでひょいと口に入れた。もそもそと咀嚼して横になったまま器用に飲み込んだ後で竜崎が眉を顰めた。
「紅茶も、下さい」
「うん、だから―…、あれ?もしかして腰立たない?」
行儀が悪いな、と思ったが、そういう事ならば納得がいく。言った途端に刺すように睨まれて、「いやいや」と月は首を振る。
「そうだよね、無理させたもんね、うん、是非紅茶も飲んでください」
笑ってしまわないように努力しながら竜崎が起きて席に座るまでを手伝う。席に座った竜崎は無言で喉を潤し、ケーキを食べる。
月も竜崎に倣って食事をしてから食後のお茶を嗜むと、少し穏やかな顔になった竜崎にどうしても聞かずにおれない言葉を投げかけた。
「気持ちよかった?」
腰が砕けているくらいだから、気持ちよかったのは確かだろう。けれども、是非その口から聞いてみたくて、無謀と分かりながら問うと、案の定無言で睨みつけられた。
「最悪です」
「うーん、そうか。じゃあもっと頑張らなきゃね」
「…。」
ダメ元だったがやはり敗れ去った月はそれでものほほんと答えた。竜崎の眉間に深い皺が寄る。
「…あれは一回ですよ」
「分かってるって。また3日後ね」
そう告げると、3日後が永遠にこなければいいとでもいうような顔で竜崎がガリと爪を噛んだ。


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