■■ Not title ■■


2006.04.01
新さまに頂ましたvV

  「さぁ、月くん。
約束なんですから自白して下さい!」

そういうLの眼は何時もとは違って輝いてる様に見えた。

「……無理だろ。
たかだかゲームで負けたぐらいでキラに仕立てあげられて死にたくなんかないね」

「キラなんですから問題ないじゃないですか」

「ち が う !」

「……。
まぁ、いいでしょう。
私もこんな事で勝負は着けたく有りませんし、夜神さんが黙ってないでしょうから…。
しかし、これでは私が勝った意味など全くないですね」

─意味がない?

頭脳明晰で運動神経抜群の上に容姿端麗な、この僕が何でも言うことを聞いてやると言ってるのに、

"全く"意味がない、だと?

─…屈辱だ。

「…そんな事はないさ。僕だって雑用ぐらいなら出来るし…」

「雑用なら松田さんがやってくれます」

「……。
じゃあ、話相手とか…」

「…それは私との会話自体が罰ゲームって事ですよね?」

……ある意味、な。

「言葉のアヤだ…。すまない。確かにそれじゃあ罰にはならないよな…」

「そうですね。(話相手ならワタリで充分だし…)
…あ、月くん」

「………何?」

Lが手招きをしている。
何か思い付いた様だ。
…何を言われるのか、多少の不安に駆られる。

突拍子のない事を言いそうだよな…。

Lの傍まで来ると、

「触ってみても、いいですか?」

と、一言。









「…は?」

「ですから、触っても…」

「あ、…あぁ。構わないよ」

…何だ。
そうなのか…

Lは僕の事を…

まぁ、悪い気はしない。
よく見ればコイツも結構可愛いし…



─ぺたぺたぺた…


…何だか、やたらと髪ばかりに触れられてる気がするのは、気のせい…じゃないよな?

「…おい、」

「はい?」

「何で髪を…」

「いえ、実は本部内で月くんのカツラ疑惑がまん延してまして…」

─バッ!!

「あ…、」

思わずLから身を退いてしまった。

これじゃあまるで本当にヅラだと言ってる様なものじゃないか…

「…この髪は地毛だ」

「それなら何故、過剰に反応したんですか?」

「そんな事を言われたら、誰だって気分を害するだろう!!」

「…ムキになる所が益々怪しいですね」

「!!(怒)」

…落ち着け。
かなりムカつくが、落ち着け。

疑心の塊の様なコイツが納得出来る説明をしなくては…

「…さっき、触ってみて分からなかったのか?ちゃんと直に生えてただろ?」

「私はカツラの構造とかよく分かりませんから…」

「…お前にも知らない事があるのか…」

「当然でしょう?
引っ張ってみてもいいですか?」

「嫌に決まってるだろ」

「…罰ゲーム……」

「………;」

そうか。
そういえば、一週間、言うことを聞かなければならないんだったな…

「…あまり強く引っ張っるなよ?」

「はい」

再びLの傍まで行く。

─くいくい…。

……軽く、痛い。

でも、こんな事をしてるLは何だか動物的で可愛い…。

…まぁ、これで納得してくれるなら我慢するか…

と、思った瞬間、

──ぐいっ!!

「い───…っ!!」

強い衝撃が頭部に走る。

…かなり、痛い(怒)

「強く引っ張るなと言っただろ!!」

「あ、すみません…
なかなか取れなかったので、つい…」

「取れる訳があるか!!」

「接着剤でも使ってるんですか?」

「──……っ、」

…眩暈がする。

コイツ、僕が何言っても納得する気なんてないな…

つか、絶対遊んでる…(苛)

「…もういい……勝手に何とでも思ってろ」

「……月くん、」

「………何?」

「怒りましたか…?」

「………」

表情こそ無い様に見えるが、Lは結構、表情…というか表現が豊かな方だ。

今だって、上目遣いで僕を見上げては不安そうな声色で僕を呼ぶ。

それだけでLの感情は読み取れる。

可愛い…。

「…怒ってないよ」

「……」

─本当に?─

と、でも問うかの様な視線だけを僕に注ぐ。

全く…
何処まで疑えば気が済むんだ。

でも、キラ疑惑やヅラ疑惑に比べたらなんて事ない。
寧ろ"愛しさ"さえ込み上げてきそうなんだから、おかしくて仕方ない。

情が移るなんて、愚かしい事、神になる僕にあってはならない筈なのに…。

─僕は、どうすればいい?

「…ふふ」

「何?」

「複雑な顔、してます」

「え…、」

「困らせてしまいましたね。すみません…」

「いや…」

…表情は崩してない筈。

僕は自分の感情を隠してたつもりで、
それが得意でもある。
親だって騙し通す自信がある。

それでもLは気付いた。

「…すごいね。竜崎は」

「一応、名探偵なんですよ?」

「そうだね…」

さっきまでの苛つきなんて感じない。

彼の笑った顔を見たからだろうか?

Lの笑顔は僕のものとは違って、柔らかくて、作り物なんかじゃなくて本当に…
─可愛い。

決めた。
もう、迷わない。


Lが、欲しい。

新世界も、諦めるつもりなんてない。


と、なると
"どうするか"なんて決まってる。

─ぎゅっ。

「!
…月、くん…?」

「…好き…、かも知れない」

「…私が、ですか?」

「…悔しいけどね」

「そう、ですか…」

「って…、それだけ?(苦笑)」

僕にここまで言わせて何の変化も見せないなんて…
そこら辺の女の様に一筋縄じゃいかないって事か?

…流石だ。

今はそれでも構わない。

でも
絶対、手に入れる。

「月くん、」

「ん?」

「…そろそろ放してもらえませんか?」

「……もう少し」

「…私、鳥肌が立ってるんですが…」

「寒いんじゃないのか?それなら尚更…」

「………(怒)
月くん、命令です。離れなさい」

……ちっ

「分かったよ…。絶対服従、って約束だからな…」

仕方なくLを解放した。

「…今日は、ね」

薄く笑みを浮かべると、Lは不機嫌そうに目を細めた。

「…今日だけではありません」

「そうだね。明日も、明後日も…だね」

でも一週間後は、僕の番だ。

「…もう、今日は帰ってください」

「え?イイのか?」

「はい。特にさせる事もないので…」

「…傍に、居たい」

「何、言ってるんですか、貴方は…」

「……駄目か?」

首の角度を45度に設定し、下から見上げてみる。

「…月くん、他の女性と同じやり口で私が堕ちるとでも思ってるんですか?」

「やり口?何を言うんだ、僕はただ…!」

「はいはい、分かりましたから。
貴方はきっと疲れてるんです。今日は帰って体を休めて下さい」

「でも…っ」

「今の私の言葉には絶対的な効果がある筈ですが?」

ちっ、
やっぱり無駄か…

「……………分かった。今日は、帰る」

「お気を付けて帰って下さいね」

「あぁ…」



─帰り道、

『残念だったなぁ、ライト』

…そう言う死神の声は台詞とは裏腹に楽しんでるかの様に聞こえた。

『やっぱり流石のお前でもLは堕とせないか』

「…そんな事はないさ。Lは…ただ、信じてないんだ。僕の気持を…。
キラである僕がLを利用する為に堕とそうとしてる、
って思っているんだろうな。だから、僕を受け入れられない。それだけの事だ」

『何でそう意味もなくプラスに考えられるんだ…』

「根拠ならあるさ。Lが最後に言っただろ?」

『"気を付けて帰れ"が、か?』

「…違う。それよりも前だ」

『………』

覚えてないのか…

コイツ、昨日の夕飯とか絶対忘れるタイプだな。
もっとも、リンゴ以外を食べてればの話だが…

『あ!"絶対的"とかなんとか言ってたぞ!』

「違う!その前だ!!」

『…(最後って言ったのにそんな前の話かよ…)』

「僕に"疲れてるから休め"と言っただろ?
僕が"好きだ"と言った事に対して"疲れてるから…"と返すのは"だから、血迷った事を言ってる"、言い換えれば僕の好きだという言葉を信用していない、という事じゃないか。
だから、まずは信用させる。そうすれば、きっとうまく行くさ。」

Lも、新世界も、両方を手に入れる為なら、

「"疑心暗鬼の君を抱き寄せ 理解不能の向こう側へ"…ってね」

『な、なんだ?ライトっ!そんな、いいいイキナリ抱き寄せられても困るぞ!!』

「……リュークの事じゃないよ…」




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「竜崎、お茶を……、
おや?何か良いことでもありましたか?」

「…そう、見えますか?」

「はい。嬉しそうな顔をしています」

「流石ですね。ワタリは」

「長年、付き添ってますから竜崎の事なら分かります」

「そうですね」

「お茶をいれ直しましょう」

「はい。お願いします」


─僕は知らない。


「…夜神月、か」


僕の前では柔らかく微笑んでいたLが


「…明日からいいストレス発散ができそうだ」


邪悪に、妖しく微笑む事を…








†貰い書き†
新さまから再びゲットー!!!(ヲイ) うふふふ!前回の続きを頂きましたっ!何ていい人なんだろう…!!しかも凄く素敵ですっ!!
やはり私一人が独り占めするのは、世の損失だという事で、また無理を言って転載許可を頂きましたっ!!
新さんありがとう〜〜〜〜vV

もうもう、月のプライドの高さが凄く心地よいですっ!
Lたんの黒さ加減もプリティーで!プリティーで!!
うっとりvV

新さまいつも有難う御座いましすっ!!