|
■■ 僕の中のエトピリカ ■■
|
2007.02.15 【like a stray cat】晩和さまのフリー小説を頂ましたvV 死神はその人間に疑問を抱いている。 「何いっているんだい?リューク。これは流れでそうしているだけで僕はあの行為にも熱にもあいつ自身にもなんの感情も抱いてなんかいないよ」 そう人間は言う。 明らかにその男を組み敷き挿入時の負担を和らぐ為にと慣らして、相手が苦痛に顔を歪める度に「大丈夫?」と気遣い、喘ぎというよりは呻きに近い扇情の声に頬をつり上げ半ば強引とはいえ性繁殖も出来ない固体同士の交わりに欲情しているのは、 『愛じゃないのか?』 首を捻り考えた。 頭を抱き寄せ舌を噛まないように肩を噛ませ抱き寄せて。 行為が終わったら風呂にいれて頭まで洗ってやるのだろう。服を着替えるのを手伝ってやるのだろう。 「ら っい 、」 呼ばれた名前にどうしようもない程頬を緩めて。 幸せそうに微笑んで それでも愛してないときっぱりと言葉を洩らす。 相手の表情の読めない黒目は、成程確かにその人間に別の感情は抱いていても好意は抱いてはいないだろう。 でも、圧し掛かっている側は明らかに。 正論を好む彼のとびっきりで唯一の矛盾に今日も死神は首を捻る。 焉 06717「僕の中のエトピリカ」 †有難うございました† 晩和さまのお許しを戴き、『僕の仲のエトピリカ』を転載させていただきました!! リューク視点なのに、こう、月くんの心情が溢れるように伝わってきて、凄く切なくて、暖かくて、ドキドキしました! 美しい文体やテンポの良さを尊敬してます…! 本当に有難うございました…! |