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■■ 密葬風景は見ないふり ■■
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2007.02.15 【like a stray cat】晩和さまのフリー小説を頂ましたvV 「ひっ っぐ」 竜崎は言葉にならない悲鳴をあげて半狂乱に僕を押し退けようとした。女と違いその力の強さに驚く。 慌てて鬼頭に爪を立てる。 自身は勃ち上がり、蜜が溢れる。 その後、膨張したそこからは白濁の液が飛び出た。 「・・・お疲れ様」 僕はそう言って手を離す。べっとりと汚れた手を見てそれを舐めた。独特の人間の苦さが舌の上で広がる。 「うえ」と小さく洩らす。 ぐったりとしている竜崎は、初めて規則正しい呼吸を乱し、只、成す術もなく地面に目を見開いていた。 何か屈辱の言葉を洩らすのではないだろうか。 そう、思い、暫く待っていたのだが一向に言葉は出ない。 つまらなくなり、今だ地面に横たわる彼の足をグイっと引張り持ち上げた。 自分の足の間から人の顔を見るという光景をこいつは経験した事があるだろうか。 ズボンを膝まで降ろし、シャツの下の固くごつごつした胸板に手を這わす。 「竜崎、どうした?ほら、助けを呼ぶんじゃなかったのか?」 喉元でくくくとあの死神のような笑いを出した。 等の死神は後ろでうろうろしている。 『出て行った方がいい?』 「別に、どっちでも・・・」 小声で返した後で膝を曲げ竜河の息が当たるまで近くに身を寄せた。 表情を見られないようにする為か、竜河は腕でその顔を隠し、ただ、呼吸を繰り返している。 服や肌に飛びちった白濁の液を指に絡めなが太股を鷲掴みにして前立腺を攻めた後で指を一本、非常に狭い肉壁の中に入れた。 「あ ・・・っぐ」 ぐちゅ・・・ という音を立てて指を潜らせていく。 背筋を伸ばして目を見開き口を大きく開けて空気を噛み殺し、声を抑える姿が苛立つ。 そのまま奥に前にと指を前後させ凝縮する内壁のきつさを広げていく。 「っ・・・ぁ、あ、ぁ、あ、あ」 ぐちゃぐちゃという音が耳につく。竜河は、今、痛みで泣いていてくれたりはしないだろうか。 考えていると腕で隠れた口がパクパクと何か言葉を紡いでいた。 「何、聞こえないよ」 更に指の数を増やして奥に突っ込んだ。洩れる悲鳴に居心地の良さを感じた。 口に耳を近づけてやった。 「し・・ってますか」 「?」 「大量殺人者は、誰に・・でもなれるものじゃない」 「へぇー・・・」 彼はそこで言葉をきり「兵士の育成方法でもあるけど」と言葉を絞る。 「ま、まず・・っぁ・・・人を一人殺させて、震えるか、震えないかを試・・し、ま・・す。 そ・・こで・・っは・・・・次も殺せる人間が・・本当の意味で殺人犯になれ・・るんです」 「ふぅん?それで、それがどうし」 「月くんは震えます」 僕の手が止まった。 腕をどけた、息苦しそうに目を細めてはいたが黒い瞳は真直ぐ僕を見た。 「震えます、恐怖で。直接に人を殺してしまったら。そして二度と人を殺せません。キラは臆病です」 ああ、何処までこいつは僕を馬鹿にしたいんだ。 「ああ、そう」 自分のズボンのベルトをかちゃかちゃと外し、ぐったりしている背中を乱暴に起こしてきつく縛りあげた。 ほら、もう、何も出来ないだろう。 近くにあったテーブルクロスを引き寄せ上の食器が音を立てて落ちるのも構わずにその布を竜崎の口に捻り込んだ。 ぐっと足を開かせ男同士で使う部位を触れさせる。 僕はゴクリと唾を飲む。 やり方は女と変わらないだろう? 黒い目が大きく見開いた。 構わず処に自身の肉棒を貫かせた。 「・・っん・・ぐ!!!」 呼吸が止まるのではないかと思う程に息を吐き出したが構わず少し腰を引いてまた身を叩きつける。 「ん・!!!!」 キツイ中を強引に推し進めていく。窮屈で仕方がなかった。抉るように入れ込む。 こちらはその窮屈間も悲鳴も全てがもう快楽へと繋がり只、気持ちがいいと思えるが、下でもがく彼には快楽などなく只の痛みだけが駆け抜けているかもしれない。 中が切れる音がした。どろりとした垢の血が地面にと落ちていく白と赤が混じる。 気にも止めずに根元まで時間をかけずに入れ込んだ。 完全に入った状態で密着状態。 ああ、繋がってる。 ぼんやりと思いながら耳元で「分かるか?」と聞くと彼は首を横に振った。 テーブルクロスを唾液の糸を引きながら出すと「最悪です」と歯の付け根があわない口調でガタガタと呟いた。 「じゃあ、動くから」 手短に告げて腰を動かす。 こいつが息を飲む瞬間はあっただろうか。 後は締まったそれに反応しぐったりと彼の上に傾れて、お互いの呼吸音が室内に響かせ自分の汚れた熱い欲望を吐き出した。 気持ちがいいなどとは言葉には出さないが。 室内に声が洩れて。 暫くして彼の腹を抑えながら己を抜くとドロリと自分のものが中から流れた。 それが血に見えた。 幾分混ざっていたかもしれないが混じりもなく其れは性行為の後の物だけに違いはなかったのに。 でもなんでこんな事をしたんだろう。 整理のつかない頭でぐるぐると思考を働かせる。 立つ気力はない。 皆がいつ帰ってくるかも分からない。 自分らしくない。 人を無理矢理抱いたのは初めてだった。(いつだって向こうから誘ってくる) 男を犯したのも初めてだった。(当たり前だ。僕にはそういう性癖はないのだから) 激しい動きのせいで縛った所が赤くなった竜河の手を見る。此処も血が滲んでいる。 そして自分の手元を見る。 確かに、 照明に照らされた手は。 「震えてる」 僕には人は殺せないらしい。 終 †有難うございました† 晩和さまのお許しを戴き、『密葬風景は見ないふり』を転載させていただきました!! 思いっきりグっと来させていただきました…! 月くんの強さの中の脆さがさり気なく伝わってきて、静かに感動しました。 拝見し終わって、ぐっ!っと!! どうしても、転載させていただきたくて、お頼みしたのですが、許可してくださって本当に有難うございました!! |