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チュンチュン。 小鳥の囀りで朝だ、と思った。 月くんはどんなに急がしい時でも抱いた次の朝には彼が朝ごはんを作ってくれていた。 私の大好きなあまーい卵焼きを用意して。 もう、月くんが甘い卵焼きを用意してくれることはないのだろうけど。 何も残っていなくても、生きようと思ってはいた。 一人でも、月くんとの気持ちと一緒に歩いていこうと思っていた。 けれども、今の私には、守るものもあるらしい。 守るもの。 目を開こうとして、ふ、と思った。 月くんが甘い卵焼きを用意してくれることはないのだけど。 くん、と鼻をひくつかせた。 匂いなんてしない、当たり前だ。 月くんはいないのだから、当たり前なのだ。 『おんしの好きなあまーい卵焼きの匂いがするき。それがしてから目ぇさますがよ』 「あ」 ―残念。連れて行きたかったのに― 知らない声がして身体を震わせた。冷や汗がどっと噴出する。 リスクがこれか。 言い含められていなかったら、堕ちてしまうところだった。 「お客さん、朝ですよ」 次の瞬間、おっとりとした女将の声と、甘い卵焼きの匂いがした。 それでゆっくり目を覚ます。 「…あの、大丈夫ですか？」 言われて泣いているのだと認識した。 「ええ、大丈夫です。とても怖くて優しい夢をみただけですから」 ＥＮＤ …………………… ・懺悔・ えーと、こんな感じの夢をみました。（※ラブロマンス（鼻で笑う）は入ってませんでしたが、目を開けたら死ぬ、みたいな夢） なんかフェイントくらって、目を開けそうになったんですが、なんとなく嫌な予感がして開けなかったら、「もうちょっとだったのに」みたいな。 ぞわっとして飛び起きました。 オチはありがちですが、怖かったんですよー（笑） で、気がついたら月Ｌ妄想に加味して、猛烈に書きたくなって書いてしまった次第です。オチ以外もありがちです…orz 超光速（私基準で）で書いたので、話の端々というか全体が壊れまくってる気がしますが、あまり気にしないで下さ…ると嬉しいです（苦笑） 因みに、月くん（白）はマメな男（だと思う）なので、朝ごはんを作ってくれそうです。今回はＬが女の子なので、Ｌを抱いた次の日だけという設定ですが…。 最近子供が生まれる話を書きたくて仕方ないんですよね…。 ※ちなみに高知弁のおじいさんはなんでか月くんだったんですよ、な感じ。 ここまで付き合ってくださって本当に有難うございました！ 水野やおき2007.06.14 ≪new[3] NOVEL back≫ [0]TOP。 |