ワタリに、案内された。





 ただただ

 白いだけの空間に。



 黒いノートと、パソコンが一台。




『 Call 』



『ああ、竜崎。うん?留守電か。珍しいな。最近はこっちに来ないから、少し寂しいよ。仕方ないから僕から行ってやろう。何か差し入れを持って行こうか?なんでもいいよね。竜崎はケーキならなんでも食べるから。
 あ、そうだ。ここで言うような事じゃないけどさ。流河も竜崎も。Lだな。頭文字が。Rでもいいんだろうけど。何かのポリシーかな。今日、行った時に聞かせてくれ。
 もしさ。それがLであるっていうメッセージなら。僕は今もお前の本当の名前を呼んでいることになるね。竜崎。竜崎。
 竜崎。欲しいものがあったら、僕がそっちにつく前に連絡してくれ。一時間くらいでそっちにつくから』
 留守録を再生した。
 何度も、何度も。繰り替えされる、それ。
 焼け付くような痛みが僕の胸を支配する。
 君の名前を呼ぶ、僕の声がそこに無限に響き渡った。
「最悪だよ、お前」
 しゃがれた声が、楽しそうな僕の声に被さる。
「なにも。言わせないでっ、逝きやがって!!!!僕が、僕の気持ちなんて―――知りもせずに、逝きやがって!!!!!!ふざけるなっ!!僕はっ、僕はっ!!僕がお前を殺そうと思ったのに、僕が・・・僕はっ!!!くそっ!何を言ってるか判らないじゃないかっ!!


L・・・・。最後まで卑怯だよ、お前はっ。


僕はどうしても。お前の願いを聞いてしまう。

どうしたって、お前の願いを聞いてしまうよ・・・。
卑怯だ、卑怯じゃないか、Lっ。


竜崎っ――――。


僕の。

僕の想いを。こんな形で聞かされるなんて、卑怯だっ!!


お前を呼ぶ僕の声が、こんなに辛いだなんて思わなかった!
竜崎、お前は僕の声を聞いたのか?
ちゃんと、聞いてくれたのか?

じゃなきゃ、辛過ぎる。

一言もお前に言ってやれなかった。
せめて、せめて。せめて。









////To be continiued////

2005.07.07


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