「うわっ!」
「ひゃっ!」




悪魔の資質とは
三度の飯より
他人の不幸が好きなこと。


【悪魔の条件】



「…メロ!こんな所にいたのか」
「ぁ?…マットか」
からん、と小石がメロの顔の横に落ちて来た。
亀裂からマットが顔を出す。
「いい穴場だな。これどこから入るんだ?」
メロはごろん、と転がって、白い岩だらけの大地を指で示す。
「大岩の木の根っこ」
「ああ、あそこか。俺も今からそっちに行く。一生懸命働くなんて悪魔のする事じゃねぇだろ」
「…サボってばかりで悪事を働かない悪魔も、悪魔のする事じいないと思いますけどね」
マットよりも背後の位置より、声が聞こえた。
「げ」
「…つけられたな、マット」


「…で?ロッドが用事だって?」
「大王とお呼び下さい、メロさま」
「っは!あのハゲの親父は呼び捨てくらいで丁度いい。それに悪魔が礼儀正しくてどーすんだよ」
薄く笑うと、父の側近は困ったように眉根を寄せた。
そもそも、悪魔とは自分勝手で自己中心なもの。それが組織体として組み込まれてある事自体がまずおかしい。
…が、それも、そもそも人間が為。
世界の均衡を保つ為に悪魔をやらねばならぬとは、なんとも不可思議な話だった。
「…大王、入出許可を…」
「入るぞ!」
スナイダーが声を出した数秒後、メロは構わず扉を押しやる。
「…メロ」
「大王やってんだ、文句言うな」
咎めるような父親の、不機嫌そうな声を聞きながら、メロは平然と言う。
「で、何」
顎をしゃくって、用件を促すと、ロッドはスナイダーに言って扉を閉めさせた。
そして、スナイダーすら部屋の外。
「…なーに企んでんだ、ハゲ」
「ハゲじゃねぇ!スキンだコラ!!」
「同じようなもんだろ。…で?」
つかつかとロッドの元に近寄って、椅子にどかりと座る。
それを見届けて、ロッドは反論を引っ込めて、手を組んだ。
「近い内に侵略が始まる。」
「Σ!」
「ただの小競り合いじゃあねぇ。天界による"悪"の殲滅だ」
「…マジかよ?!んな事したら均衡が崩れるだろ!!人間界は消滅するぞ?!分かってんのか?!」
「…承知の上、らしいな」
「!」
「…それは、まずい」
低く押し出されたロッドの声に、メロはガタッと席を立った。
「『まずい』どころの話じゃねーだろ?!」
血相を変えたメロの顔をロッドは凝視し、頷く。
「だからお前を呼んだんだ」
「………」
「…手を打てるとすれば、一つしかない。
……過去に戻って、人間を一人殺して来て貰う」
「オレに、か」
「ああ。お前で無いと無理だ」
「…詳しく話せ」


Next second stage


…………………………
…ひとこと。…
超パラレルですみません(笑)

日記での連載形式をとっておりましたが、移しました。
2006.06.19




……………………
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