離れていても分かる。
お互いのピリリとした、緊張感のある気配。
残痕もしかり。
天敵の、気配。


【悪魔の条件】



(便利っちゃー便利だよな)
思いながら、外を眺める。気配だけは研ぎ澄ましたままで。
(…天使のいる所に母体がいるだろう…ってのはいいけどよ)
人間あがりの天使の条件は、天使の血が混じっているか、どうかだ。
後は、産まれてから死ぬ迄の功績。
これが高いか低いかで、死後に天使になれるか、そのまま人間として輪廻の道に入るかが決まる。
だから、天使の血が混じっているか、いないか。これだけをあげると、濃い薄いを無視するのならば、かなりいると言っていい。メロが乗っているバスの中にも2・3はいる。
だが、人間あがりの天使になれるような人間は一掴み。2・3いる混種の人間の中に、人間あがりになれそうな人物はいない。
それに、ニアの気配はそんなモノでは無かった。親は天使の直系、それも純血種。
でなければ、アイツの力と気配の説明がつかない。
(…つーか、大変じゃん。オレ)
純血種の直系の天使が母体の傍にいたなら、手を出すチャンスは減少するだろう。メロが天使の気配を掴めるように、天使もメロの気配を掴める。
天使が気に入った人間を、遊びで手を出そうとする悪魔は多い。天使がその人間に飽きていなければ、必然、戦いが起きる筈。
それを警戒して、人間に手を出した天使は、必要以上に周囲に気を使う。
(しかも、オレは殺そうとしてんだもんなぁ…かなりやばいだろ…)
向こうを出立する時は急いでいたので、そこまで考えていなかった。
時間が経てば経つだけ困難なものじゃないかと、心中で唾を吐く。
…本当は、こんな方法を取ること自体実は嫌なので、どんどんとメロは憂鬱になってゆく。
(しかもニアだぞ?ニア。オレが負けたみたいじゃねーか)
ニアとは戦いの場で何度も顔を合わせた。お互い知略戦略を尽くして刃を交えた相手。
好きか嫌いかと言えば「大っ嫌いだね」と答えるし、普通にイケ好かないヤツだとも思うが…悪魔を殲滅しようなどと考えるようなヤツには見えなかったー…。
まあ、ただのフィーリングだし、確かにニアはメロの同朋を殺し過ぎた。
あの莫大な力は、驚異だ。大戦が行われるとしたらー…数万以上の悪魔が犠牲になってもおかしくない。
(…!)
ふっ、と引っかかっる気配を感じた。
『止めろ!』と言おうと思ったら、バスはメロの意を受けたかのように、緩やかに止まった。
ドアが音を立てて開いたのを確認して、飛び降りようとする。
「ちょっと!お客さん!お金!!」
「あぁ?!」


問題は山積みだ。


Next second stage


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…ひとこと。…
魔界に通貨は無いとは言わないが、無いも同然という設定。
自分設定ばかりでごめんなさい…。
2006.02.02水野やおき
update2006.07.01




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