お互いにまだ完成されていない体を繋ぐ。


【ひぐらしの鳴く朝】


身悶える、えるの体を激しく掻き乱す。
「ぁっ、ぁっ…んんぅっ!」
ぎゅっとえるが月に廻した腕に強く力を入れ、掠れた声が仰け反った喉の奥から押し出されて、ビクビクと痙攣した。
「ァッ…ぁぁぁっ」
同時に月を包む肉壁も強い収縮を繰り返して、突き抜けるような快感が身を追い上げていく。
「…ッ?!」
一緒に射精しそうになって慌てて引き抜こうとした瞬間、えるが白い太股でもって月の体を繋ぎ止めて、月も絶頂に身を委ねた。
ドクドクっと月の精がえるの中に注がれる。
「ふっ…はっ」
えるが大きく息を吐き、月もえるの体に被さるように息を吐く。
きゅっとえるの腕が倦怠感で脱力した月を優しく包み込んだ。
「…ぇる、何で…」
「どう…か?」
小さな声が月の耳を掠める。
「…お前がしがみつくから、そのまま」
首筋に息がかかってくすぐったいのか、えるが首を小さく竦めてから小さく吐いた。
「…ぁあ、もしかして、…外に?」
「当たり前、だろ」
ボソボソと決まり悪気に呟く月にえるが苦笑する。
「それまででも、充分妊娠する可能性は…あるんですが?」
「…それは…!」
「ンッ!」
ガバッと手をついて体を離す。衝動でえるが身じろいだ。月もピクリと背筋を強張らせる。
「ぁっ、ゃっ…急に、動いたら…ダメ、です…」
慌てて口を塞いで余韻を噛み締めながら、えるが月を諌めて、月も甘い余韻をやり過ごしてから謝る。
「悪い。…抜く、ぞ」
「は…ぃ。…っ」
ずるりと萎えたモノを抜き出す。薄暗い夜目にもドロリとした二人の体液が重たそうに地面に滴った。
「真っ暗になってしまいましたね…」
「ああ」
ゆっくりとえるが体を起こした。
「全くもう、月くんには困ったものです」
「…」
「本当にどうしたものか…」
「…」
「体は痛いし、こんな格好ですし、こんなに蚊に刺されー…」
「…………ごめん…」
短いスコートで脚を隠しながら、えるは至る所についた斑点を検分する。
「…!もしかして私の見えない部分まで…!体育はまだ水泳だってあるんですよ?!」
「…悪かった…」
「あぁ、もう!この間まで私を男だと思っていた癖に…!」
立て続けに責められて月も閉口する。事が済めばこうなるのは目に見えてはいたけれど。
(…お前だって最後はしがみついて来た癖に)
口に出したら長引いてしまうので、心の中だけに留めて、えるにミネラルウォーターで湿らせたスポーツタオルを差し出した。
「…今日はワタリは学会で帰りが遅いんです、一度私達のマンションに寄って下さい。…汚れたままの家には帰れ無いでしょう?」


「…妹さんのスコートは、直ぐに同じものを用意しますから、擦りむいた拍子に血で汚してしまったとでも言い訳しておいて下さい」
二人がえるの住むワタリのマンションに着いて数分。洗濯機に汚れものを放り込んでえるが言う。
(…忘れてた)
さしもの月も一度兄の欲で汚れた物を着ろとは言えない。
「お金は後で僕が出すから」
「解りました。…では、お家の方にも連絡した事ですし、汚れ、落として来て下さい」
タオルは後で持って行きます、と言うえるに、「お前は?」と聞く。
「私は月くんが帰った後で入ります。また襲われては敵いません」
「襲うワケないだろ…」
「どうだか」
前科を先程作ったばかりなので、強く反論出来ず、黙ってえるの薦めに従う。
ザアア…と暑いシャワーを浴びながら、自分の軽率さを反省する。
今まで、誰が見ても完璧な優等生だったのに。
「ハァ…」
多分妊娠はしていないだろうとは思うが絶対では無い。
冷静なつもりで、よく考えてみれば途中からたがが外れていたようだと、またため息を吐いた。
セックスに溺れる人間がいると聞いた事はあるが、自分には絶対関係ないと思っていたのに。
多少…自信が無い。

続く!


…………………

何度調べても、18禁とかの基準を覚えられません…!
そして「あん」と言わせるという目標に破れました。「あ」と「ん」をくっつけらんねえ…(笑)
dataup2006.11.11


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