ちゅっ、ちゅっ
軽く啄むようにすると、えるが恥ずかしそうに応じる顔が垣間見えて、とても楽しかった。


【ひぐらしの鳴く朝】


一度触れるだけの長い口付けを交わした後、戯れるように軽いキスを繰り返す。
その度にえるが恥ずかしそうな顔をするのが堪らなくて、何度と無く仕掛けた。
合間にえるの頬を撫でるとくすぐったそうに身を捩る。
ここは学校だ。
しかも休み時間は残り少ない。
滅多に人が来ない準備室だとはいえ、人が来ない保証はどこにも無い。
が。
(自分がこんなに欲深い人間だとは思わなかったよ、える)
首筋に唇をあて、印が付かない程度に味を確かめる。えるの吐息もすっかり上がっていた。
本人も分かっていても止められないのだろうと思う。
お互いに苛立っていた時間を鎮めるのに、この行為は最適過ぎる。
「ら…らいとくん…」
それでもやはりリスクが高いえるの方が制止の声を上げた。
「うん、える。もうちょっと…」
「!?」
いつの間にか前を寛ろげられたえるがぎょっとして体を起こそとするのを、月は笑顔で阻む。
はだけられた胸元に口付けされたえるが、『またか』と上気したままの顔をしかめたが、月はそれを体全身を使って押さえ込んだ。
押さえつけたままの体勢で背中のホックを外すのに、えるの視線が突き刺さる。
「僕は器用なんだよ、える」
それを無視して(むしろそんな顔で睨まれても余計昂ぶるだけだ)可愛いらしいブラジャーをずらして、その小さな膨らみを口に含む。
ビクリとえるの腰が浮いて、その快感の程を月に余す事無く伝えた。
「そう。ちゃんと声は抑えててね」
弄られた乳房の元で、月が優しく言う。
こうすれば嬌声を押さえるので精一杯なえるは、容易に口を開けない。
注意深く左手を移動させて、えるの秘所に指を這わす。
「…やっぱり濡れてる」
わざと声にだして報告すると、えるの顔がカッと朱に染まった。
「っライトくーあッ!」
流石に文句の声を出した所で、同時に胸と秘所を攻める。
「ゃ…っ、ぁっ」
与えられる快感を逃す術は誰もが持っていない。
特にえるは月の事を憎からず想っている。
善いように弄ばれて、えるの体がわなないで、声を抑えられなくなる事なんて計算済みだ。。
「…ァ…ゃ…っ、もっ、やめて、くださ…っ!」
一旦声を出した事で制御出来なくなった、けれども出来る限り抑えられた喘ぎ声と、懇願がえるの口を吐く。
「…あんまり止めて欲しそうに見えないけどね」
意地悪く月は微笑んで、ひっそりと隠れたクリトリスを刺激した。
「また濡れたみたいだよ、える」
言って、力の入らなくなって来たえるから体を離して足の間に顔を埋める。
じっとりと濡れた布に舌を這わすと、自由になった手で口を抑えたえるが驚きに目を開いた。
「……っ!?」
「だってえる、凄く溢れ出してるから、このままだと資料に染みを作ってしまうだろう?」
「きたな…っ」
「そんな事ない…」
ちゅっ、と開かせた足の中心にキスをする。
それだけで震えたえるは…
「っげ!!」
次の瞬間月を蹴り倒した。
「えるっ!!!」
「…んぅ…っ」
蹴りに力を使い果たしたのか、小さく丸まって、えるが余韻を噛み殺していた。その姿が、立ち上がった月の目に映って、欲情が更に増す。
それと同時に、悪い事をしたかな、という理性も立ち上がって、反発しあう感情が月を葛藤させた。
恐らく、理性がやっとの思いで勝ったのは、現実を告げる予鈴が鳴ったからだ。
「…ごめん、える。僕が機材運んでおくから、後からおいで。先生には気分が悪くなって保健室に行ったって言っておくから…」
月自身もかなり辛かったが仕方ない。本当にこれ以上手を出すにはいかないのだ。
「ごめんね、える」
もう一度謝って、彼女の耳元に口付け、機材で高ぶった己を隠すように室内を退室する。
潤んだ声で「月くんのバカ」という声が聞こえて、月は更に前屈みになった。

続く!


…………………

蹴りは峰打ちですから…!(笑)
dataup2006.11.26


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