■【Lovers】■ 10

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇side 普

イギリスの心の壁は思ったよりも分厚かったらしい。
プロイセンはフランスの隣で自棄酒を煽りながらでかい溜め息を漏らした。
「悪いね」
「悪いじゃねぇよ最悪だろ。お前も人に取られそうになって本気出すくらいなら最初から本気出せよ!」
「…だってぇ。あの子逃げるじゃない」
さっきだって逃げただろ?と言われればぐぅの音も出ない。
プロイセンは一瞬言葉に詰まってフランスを恨めし気に睨めつけた。
「…んでもお前が横槍入れなきゃ」
「それじゃお兄さんが困っちゃう」
「勝手に困ってろよ」
「いやぁ、千年ものだぜ?おいそれと見過ごせないでしょ」
困ったように言われて、だからぁ…とループする。
現在俺様の恋人(仮)は、一人楽し過ぎる栄誉ある孤立状態から脱出して、イタリアちゃんに慰められている状態だ。
他はこの奇妙な三角関係に下手に首を突っ込むと危ないと思っているのか皆遠巻きである。
「坊ちゃんも不憫だよねぇ…。せっかく皆と仲良くなれるいい切欠だったのに」
「いや、お前のせいだろ。なんか悪女みたいになっちまったじゃねぇか」
可哀想に、と言わんばかりの口調だが、その顔は微かに笑みを刷いている。プロイセンが呆れながら指摘するとゆったりと口角を上げた。
「まぁ、半分はね。だけどもう半分は自業自得でしょ。口車に乗せられたあいつが悪い」
「お前なぁ」
「まぁ実際悪魔やろ」
『こいつ誰かどうにかしてくれよ』と思いながら酷薄に笑むフランスを眺めていると背後から何者かの腕が伸びて来た。スペインはつまみに手を伸ばすとひょいと口に含んで歯を立てた。
「俺かてうっかり本気になりそうやった時期もある」
「…お前もかよ」
カリッとナッツを噛む音と共に聞き逃せない台詞が吐き出されてプロイセンは『もうやだ』とテーブルに懐いた。スペインがからからと笑いながら隣に座る。
「あれはちょっと強引に手に入れたくなる種類のもんやな」
「…で、今はどーなのよ」
「フランス睨まんとってー」
にこやかに笑うフランスにスペインがへらへらと笑いながらかわした。確実ないらえが無くて『俺様本当、もー嫌だ』とプロイセンは呟いた。
「まぁでも、一番厄介なんはあのガキンチョやんか」
そんなプロイセンを一瞥してスペインが口を開く。フランスは肩を竦めながらそれに応えた。
「…場合によるとね。でもアメリカもイギリスと同じで素直じゃないからねぇ…。上手く矛先逸らしてやればまったく問題無いでしょ?」
「鬼畜だ」
「鬼畜や」
こうやって今まで牽制して来たのかとプロイセンはこめかみを揉んだ。心なしか頭が痛い。
スペインと共に呟いて、一番厄介なのはこの島国の隣国だと痛感する。
そこまでやるのに今まで踏み切らなかったのだから嫌になる。
プロイセンは溜息をついてから顔を上げ、紅の瞳をひたとフランスにあわせた。
「…俺様引かねーぞ」
「おっ、ぷーちゃん格好ええ」
「俺様はいつでも格好いいって」
「それはない」
スペインに茶化されて乗ったら断言された。なんでだよ、と突っ込みつつ、ついでに返事の無いフランスを確認すると、笑っているけど、笑ってなかった。正直怖い。
プロイセンはやけっぱちな気持ちになりながらここにはいない当事者に視線を向けた。
ちょうどイタリアちゃんとヴェストが顔を真っ赤にしている所で、全身が虚脱する。ほんと何やってんだお前、と言いたい。
「ほーら悪魔や」
スペインが感情の籠らない声で言ったので思わず頷いた。
(本当にな。)


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇side 伊

「イギリス、食べないの?」
声をかけたのは、あまりにもイギリスが悲壮な顔をしていたからだ。
言いあいの後、微妙な空気になりつつも会議は無事に終了した。そして恒例だからと打ち上げに移る事になったのだけれど、その際抜け殻みたいになったイギリスはフランス兄ちゃんに引きずられるように移動していた。
打ち上げが始まって少しの間はフランス兄ちゃんが隣にいたのだけれど、プロイセンがやって来た時点でフランス兄ちゃんは席を移り、イギリスは部屋の隅っこで一人悄然としていて…。
普段だったらイギリスなんて怖くて近寄れない。声を掛けて「なんだよ」と一睨みされただけで震え上がってしまう。
けれども、今のイギリスはイタリアよりも小さくなっていて、おまけに打ちひしがれている。酒に手をつけていない。あのイギリスが、だ。それくらいダメージを負っているという事なのだろうか?
イタリアはどうにも寂しそうに見えるイギリスが可哀想に思えて、お勧めのジェラードを持つと許可も取らずに隣に座った。
「…イタリア…。いや、いらねぇ」
落ち込んでいるのもあってか、いつもと同じ声のように聞こえるけど、やはり若干高いだろうか。沈んだ表情を向けるイギリスにイタリアは手にしたジェラードをずいっとイギリスの方に押しやった。
「…これ、俺のお勧めなんだ。元気でるよ?」
「放っておいてくれないか」
下から掬うようにねめつけられて、でも少しも怖いと思わなかった。だって翡翠の大きな瞳から、今にも涙が零れそうだ。
はい、と強引に手渡すと、撥ねのけられる事は無かったのでにへらと笑う。
「落ち込んでる時は甘いのが一番だよ!」
緩い笑顔でイギリスを眺めていると、食べ終わるまではいなくならないと観念したのか、はたまたこれ以上邪険にする気力も無いのか、イギリスは大人しくスプーンを口に運んだ。
「…美味しいでしょ?」
「…ああ」
素直に頷いたイギリスにおや、と思う。もしかしたらそんなに怖いヤツでは無いのかもしれない。弱っているせいかもしれないけど。
「へへ。良かった。俺もっと怒鳴られるかと思ってビクビクしてたよ」
「はは…。何か怒鳴られるような事したのかよ」
力なく言われて首を傾げる。
「んーん」
「じゃあ別に怒鳴る必要無いだろ」
「…そっか」
言われて思いつく。イギリスというといつでも怒っているイメージだったから無条件に怒られるものだと思っていたけれど、よく考えてみれば日本と二人きりの時などは優しげだ。
そういえば捕虜になった時「ご飯をあげよう」と言った時の顔も優しげだった。拷問と勘違いしたとんでもない味ですっかり記憶が飛んでいたが。
「そーだよね。なーんだ。俺、お前ってもっと怖いヤツだと思ってたよ!」
「本人を前にして言うのかよ…?」
「え?」
呆れたようにイギリスが苦笑するので首を傾げる。それには「気にするな」と返って来たので「うん」と頷いた。
しばらくイタリアはニコニコとイギリスがジェラードを口にするのを黙って眺めていた。美味しいものは幸せにしてくれる。皆で食べるともっと幸せになれる。それはとてもいい事だ。
「なんか今まで損したなぁ」
「…なにが」
「だってお前がそんなに怖いヤツじゃ無いって知ってたらもっと早く友達になれたのに」
「え?」
「へ?」
驚いたように目を丸くしたイギリスに驚いてイタリアも目を丸くする。
「俺、なんか変な事言った?」
イギリスがあまりに驚いているから不安になって覗き込むようにする。
イギリスの頬が不意に紅潮してつと視線を逸らされた。
「ヴェー…イギリス?」
視線を逸らされるほど気まずい事を言っただろうか。
困って眉を八の字にしていると、イギリスがぼそりと何事か呟いた。
「何?」
それが余りにも小さ過ぎて聞き直すと再びイギリスがぼそりと呟いた。今度はギリギリイタリアの耳まで届く。
「…友達…」
「ヴェ?」
「…俺と友達とか…」
「イギリス?」
後半はやはり聞きとり辛い。友達がどうしたのだろうか。
「その…嘘、だよな?」
「えっ?!俺とイギリスって友達じゃ無かった?!嫌だった!?」
なんか良く分からないけれど嘘だと聞かれるくらいだ。嫌だったろうかと体をイギリスの方へと乗り出して、勢い込んで聞く。
「い…、いや、嫌じゃねぇ…けど…」
仰け反ったイギリスの顔は真っ赤だ。そのジェラードにはリキュールは入っていない筈だよね、と思った時、背後からぐいっと首根っこを掴まれ引き戻されたのだった。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇side 独

「…何をやっている、イタリア」
先程からイタリアがイギリスにちょっかいをかけていて、ドイツはオーストリアの隣で静かに酒を飲みながら、イタリアを見張りに行くべきか行かざるべきか、悩んでいた。
しかしイタリアがイギリスの方にぐいっと身を乗り出したのを見て、即座に回収に向かう。いくら女好きとはいえ、相手はイギリスだ。
「あっ、ドイツドイツー。イギリスが俺と友達なのが嘘だって言うから、友達になるのが嫌なのか聞いてたんだよー」
首根っこを捕まえてひっぺがすと、女の子のナンパにばかりせいを出すイタリアがのほほんと気軽に答えてしばしの間言葉に窮する。
「……………それは健全な…いや、何でも無い。」
考えあぐねて口にした言葉の意味を慮って、途中でやめた。いくら遠巻きに見ていたそれが、キスをねだるように見えたからと言って邪推はいけない。友達といえば友達なのだ。ドイツはこほんと咳払いをして仕切り直した。
「あー…イギリス」
「……」
「先週は兄貴が世話になった。」
イギリスはドイツが訪れた途端、また死にそうな顔に戻って顔を俯けている。なんだか放っておいて欲しそうだが、しかし礼儀を欠くわけにはいかない。急に押し掛けた兄の非礼を詫びるのも弟の務めである。伝える機会はあまり無いので出来れば今言ってしまいたかった。
なので、思った通り告げるとイギリスはドイツの言葉に驚いたように顔を上げた。
(礼も言えぬ無礼者とでも思われていたのだろうか…)
それははなはだ心外である。
「え…、あ…、…いや、俺こそ変な事に巻き込んじまって…すまなかった」
イギリスは一瞬ドイツと視線を合わせると、すぐに視線を逸らした。ぼそぼそと気まずそうに呟く。
案外しっかりと返答が返って来た。もっと簡潔にすまされると思っていたのでドイツは逡巡する。
本当に一人になりたいようならこのままイタリアを連れて席を移ろうかと思っていたのだが、話が出来る状態なら聞きたい事があった。
(…ふむ。まあ邪魔ではなさそうか…)
そう結論づけると、ドイツは、イタリアの隣に腰をかけた。ゆっくりと口を開く。
「あのだな…それの事なのだが…、お前が実は女性だったというのは、本当なのだろうか…」
「え?」
「…その。こういう事は前例が無いだろう…。どう対処していいものか…。…………すまん」
ドイツの言葉に顔を向けたイギリスがパチパチと瞬きをしながらドイツを凝視する。ドイツは思わず顔を赤くしてからイギリスから視線を逸らした。
会議中に性的な話を聞いたからか、それとも現在目の前にあるだぼだぼの大きなシャツとスーツに身を包んだ姿が何というか…逆に女性らしい丸みを意識させられるからか、まともにイギリスを見ていられない。
生白い首筋に紅い痣を見つけてしまっては尚更。
(…兄さん…いきなり女性になってしまった相手に対して何をする…)
首筋のキスマークはともかく、最初はイギリスから仕掛けたのだとは露とも思っていないドイツは顔を赤らめながら口元を引き結ぶ。
「…お前…、さっきの事、聞きに来たんじゃねぇのか?」
戸惑いがちに問われてドイツは首を傾げた。ちょっとだけ視線をやれば太い眉毛が垂れ下がっていて、無性に『大丈夫だ』とハグしてやらなければいけない気になってしまった。
(…いやいや、こいつは弱っているように見えてもイギリスだからな…)
「…今聞いているが?」
答えると困ったように視線がウロウロとさまよった。言いあぐねるように唇が数度開く。
本当は顔を背けたかったが、相手が何を言いたいのか分からない状態ではそれも出来ない。ドイツは未だ薄い唇がジェラードに濡れて時折光るのをどぎまぎしながら眺めた。
「…そうじゃ無くて、…その、お前の兄貴との事…聞かれるのかと…」
「俺の兄貴との…」
言われて顔がカッと染まった。幸いイギリスは視線を背けているので見られなかったが、今まで大人しくしていたイタリアが「ドイツ顔真っ赤だー」と言ってくれたので台無しだ。
「…その、悪い」
イギリスがイタリアの言葉にか謝って来たのでドイツは咳払いの後「いや」と答えた。
「…そのことに関しては…ゴホン…その、当人同士は既に大人であるワケだし…ゴホン…俺が何か言うべき事でも無いと…」
「そうだよー。それに恋には波乱万丈がつきものだよ!なんだイギリス、ドイツに怒られると思ってたんだー。ドイツ怒ると怖いもんね。それで元気無かったの?」
「…いや、そういうわけじゃ、ねぇけど…」
「じゃ、プロイセンとの事で悩んでたんだ?」
「…………っ」
普段は頓珍漢なイタリアがズバッと核心を抜いたらしくイギリスの顔がこれ以上ないほど真っ赤に染まって狼狽えている。耳といわず首も真っ赤である。どこまで赤くなっているのだろうかと考えて、ドイツまで余計に赤くなる。服の下まで想像するなど不埒な事を考えてはいけない。
隣のイタリアはヴェー…といつものように鳴くと何事か閃いたようにぱぁっと笑った。
「そうだイギリス!俺、童貞だけど恋愛なら詳しいんだ!相談に乗るよ!ねっ、ドイツ!」
「「はっ?!」」
いきなりの提案にイギリスと声が揃ってしまった。
(恋愛相談…だと?)
しかも俺もか。
なんとも相談役に不向きな気がする。
イタリアに求愛されているのだと勘違いした時に調べた以外の知識などない。
それでも悩んでいるのなら力になった方がいいのかもしれない。当事者に兄も含まれているというなら尚更。
「話すとすっきりするかもよー」と笑うイタリアに「…そうだな」とドイツは頷いた。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇side 英

困った事になったとイギリスは思った。
相談、なんて出来る筈が無い。
(…どうすっかな…)
弱った。
相手が下世話な興味から聞きだそうと思っているのであれば罵倒を投げつけてこの場を去る事も容易では無いが、困った事に純粋な好意である。
しかも、詰られて当然だと思っていた相手の身内も含まれていれば簡単には拒否できない。
弄ぶつもりは無かったが、現状はそうとしか言いようが無い。それにあんな風に公衆の面前で傷つけるつもりでも無かった。逃げる腹づもりはあったけれど、こんな筈ではなかったのだ。
フランスの言葉に乗せられる形でプロイセンを突き放した時に向けられた視線と離された手の感触を思いだす度に体が竦む。
だからと言って『ごめん』と謝ることは出来ない。許さないと言われるのが怖い。仕方ねえ奴だな、と許されるのが怖い。
八方ふさがりの自身の状況、傷つけた相手の兄弟を前にして、無邪気に差しのべられた手を無碍に払うことは出来なかった。
しかし、だからと言って何と言えばいい。
醜態を晒すにも気が引ける。
相談役として適していない、などという事は混乱した頭では思いつかなかった。
「イギリスはプロイセンとフランス兄ちゃんのどっちが好きなの?」
最初の言葉を見いだせずに困っていると思ったのか、イタリアが聞いてくる。それには勿論1択しか無いだろうと口を開きかけた所で言葉が喉に詰まった。
なんだか冷たい殺気を感じたのである。
得体の知れない殺気とあっては無視は出来ない。素早く視線をやると、フランスと目があって驚く。
あいつのあんな目を見るのは久しぶりである。
咲き誇るシクラメンのようなアメジストブルー。それが怜悧な冷たさでもってこちらを牽制しているでは無いか。
得体の知れない殺意に似た何かに、イギリスは咄嗟に距離を取った。
隣でヴェッという、いつ聞いても珍妙な鳴き声が聞こえたが気にしてる暇は無い。
(…何考えてんだアイツ…)
イギリスは眉間に皺を寄せて考える。そういえば、何故あの時もわざわざイギリスに絡んで来たのだろうか。
イギリスは最初、何時ものお節介と、イギリスが不安定になる事で本国に影響が出て、フランスまで巻き込まれる事を阻止する為だと思っていたのだが…。
視線が絡んで数秒。不意に逸らされて、イギリスは緩く詰めていた息を吐いた。
「…イ…イギリス〜」
泣きそうな声が聞こえて、イギリスは「済まない」と簡潔に謝るとイタリアから距離をとった。イタリア2号機とはいえ、盾にしたのがイタリアでは怯えるのも仕方がない。
「…えっと…」
何の話をしていたのだったか。
そうだ、プロイセンとフランスのどちらが好きか、という質問だった。
プロイセンと付き合う、付き合わないは置いておいて、どちらに好意を寄せているかは明確である。存外深い声を出せる唇が紡ぎ出す愛の言葉。甘い視線。労わるように触れて来る指先。どれをとってもイギリスの心を揺さぶって仕方ない。だからこそ、あんな風には答えてしまったのだ。フランスがとち狂ってあんな事をしたのなら、軽く流すか殴って終わりである。一目瞭然だ。
(…ってゆーか…)
うっかり情事を思いだして、体の奥に劣情の火が灯った。昨日何時間にも渡って可愛いがられた体が余韻を思い出すのは簡単だった。
「…っ」
エロ大使などと呼ばれてはいるものの他人の前でこれは無い。
とりあえず、気持ちを逸らさなければと今話してもおかしくは無い話題を探す。それも特にエロい気分にならないものだ。
イギリスは考えて、それからまだ二人に礼を言っていない事に気付いた。
イタリアの清々しいまでの間抜けな笑顔と、酒に酔って若干赤くはあるが、真面目臭いドイツの仏頂面。それを思い出すと体からすっと力が抜けた。まだ性的な匂いの乏しい二人の傍は午後のサンルームにいるみたいに穏やかだ。
まるで幼い頃のアメリカやカナダといた時のような気分にさせられる。
「…あのさ」
「ヴェッ?!なななな、何?!」
「…その、相談に乗ってくれて、ありがとな」
にこり、と。
あまり肩肘張らずにきちんとお礼が言えたと思う。
イタリアとドイツが揃って息を飲んで、失礼な奴らだな、と思ったものの、今までの所行を考えると仕方ない事なのかもしれないと思いなおす。
何せ素直な態度で礼を言えた記憶があまりない。あまりないというか、全く無い…ような気がする。
若干素直になれたとしても、いつもいつも余計な言葉がついてしまうのが常だ。
イギリスは苦笑してもう一度だけ素直に「嬉しいよ」という事ができた自分にほっとしたのだった。


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