七転八倒堂

「メロ…」
夜になって、メロの寝室を訪ねる。
「…何」
とっても、不機嫌な声。
「………何してんの、お前…」
おずおずと、扉の影から体を出す私の両手には、昼間の猫。
私に似た灰色の猫は、ぶらりと抱えられたまま、なぁん…と鳴いた。
「この猫の、傍にいて貰えませんか？」
「…はあ？面倒見させんなら他のヤツー…」
「では、ダメなんです。この子はアナタを見ていたからー…」
「……」
眉を寄せて、君。
「…仕方ねぇな…」
「…有難うございます！メロ！」
ぱあっと笑った私に、メロは変なモノを見るように見て、「変なヤツ」と呟いた。
猫は幸せそうに、メロの腕に抱かれる。
「…コイツ、お前にちょっと似てるな…」
メロは灰色の毛を撫でて、一言。
私はきょとんとメロを見てから泣きたいような、笑いたいような、そんな気分になって…。
「…私は無理でしょうが、この子は傍にいさせて下さいね…」
ホロリと言葉が零れ落ちた。
メロは目をまん丸にしてー…
私は彼が驚いている間に、外へ。
だって拒否されたら、嫌でしょう？

私はとても臆病なんです。

だから、せめて。
あの子だけは傍にいさせて下さいね。

おわり

……………………
…懺悔…
ニア→メロというよりもメロニアっぽくなってしまいました(笑)
恋には臆病なニアを書いてみたかったのです♪

今書いてるヤツ飛ばしてしまいましたー…

少しでも楽しんで貰えると幸いです♪

水野やおき
2005.09.01

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