七転八倒堂

とあるホテルの一室。
大きなガラス張りの窓からは果てしない夜景が広がっている。
「恋とは何でしょうか」
「は？」
「愛との違い、分かりますか？夜神くんは」
Ｌは月に背中を向けてそう切り出した。

【恋と愛との違いについて】

捜査拠点として設けられたホテルの一室において、外の風景を見ながらＬが月に言った。
『うーん…。それ何かの仕掛けか？』
『いえ。ふと思っただけです。ただの問答ですよ』
『ふぅん』
『弥を見ていて思いました。私はあの子の気持ちを『貴方への異常な程の愛情』と言った事があります。果たしてそれに語弊は無かったか』
『竜崎、僕は』
『夜神くんにそのような気持ちが無いのは聞きました』
『…』
『愛情とはつまり愛の情…ジョウ…物事に対して動く心、感情・なさけ…思いやり、もののあわれを知る心。
男女の愛情…をさす言葉でもあります。一般的に愛情はあらゆる情と同意義に用いますが、また最上級の情であるとも考えます。無償の愛…というヤツですね』
『…それで？』
『では恋情は？友情などというカテゴリーに分かれた言葉ですよね。普通に使う言葉では無いですが。恋をしてる人間に抱く情。
ではいつから恋は愛に変わるのでしょう。結婚をした日にですか？違いますよね。
どこで区分をつけます。私は弥が夜神くんに抱く感情を愛情だと思いましたが、果たして会ったばかりの男女に愛情が芽生えるものでしょうか？夜神くんがキラであったのならともかくも』
『………やっぱり捜査の一部なんじゃないか』
『いえ、すみません。つい癖で』
『まあ、全ての言葉から分析をしているんだろうから、今更言った事でも無いけど…』
『はあ…まあそうなんですけどね。…それで夜神くんはどう思いますか？恋情と愛情との違いについて。』
『…僕の意見、というワケだな？他の誰の意見でも無くて』
『その通りです』
『…そうだな…。どこに的を絞るかで随分と違うね…』
『そうですね』
『…じゃあ、まあ。僕の答えっていう事で簡潔にいうならば』
『…』
『一方的な想い…かな。恋情は見返りを求めるが、愛情は見返りを求め無い。』
『…そうですか。それだと私は反対だと思ってますね。』
『そう？まあ人にどっちもありき、だろう？そもそも愛情も恋情も似てるから明確な区切りはつかないんじゃ無いか？』
『そうですね。…けれど、私はこう思ってますよ』
『何？』

「恋はドキドキしますよね？」
Ｌは夜景を背景に、やっと振り返って唇の端で笑った。
月は目を見開いて、それから緩やかに目を細めた。
「…それなら僕も同じ見解だね。確かに今、ドキトキしてる」
「私もです」

おわり

…………………………
…あとがき…

つまりは二人が恋してるって話です☆あは♪
なんか良くわかんない挙げ句に、内容のキーワードがありふれてる感じがヒシヒシするのですが、まあ構いません。(構いたまへよ)
久々甘い月Ｌですが、書いたのほぼ去年の４月頃(笑)
携帯のメールフォルダに残ってました～

2006.01.11
水野やおき

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