七転八倒堂

月くん。

もしも、運命の神がいたとして、
貴方は神を呪ったりはしないでしょうね。

月くん。

もしも、人生をやりなおせるとしても、
貴方はやりなおしたいとは思わないでしょう。

だって、何の後悔もしていないでしょうから。

私の眠る横顔を、
貴方は静かに見下ろして…
私から失せる体温を、
貴方がゆっくり奪っていって…

ねえ、月くん、約束、覚えてますか？

Ｌ。

もしも、僕が何か謝ることがあるとすれば、
世界からお前を奪ったことを謝ろう。

もしも、僕が何か憂うことがあるとすれば、
お前が二度と眠りから醒めないことを憂うだろう。

でも、何の後悔もしていないから。

お前の眠る横顔を、
僕は静かに見下ろして…
お前から失せる体温を、
僕がゆっくり奪っていって…
それで終わりが来るのならば。

約束、忘れるはずはないだろう？

運命とも呼べるべき鎖を繋ぎ、
共にすると。
いつか二人でそう認めあったね。
もう、手錠は外してしまったけれど…。

ほら、一緒に逝こう。

…………………………
…あとがき…

11月5日が、Ｌの眠った日とするのならば、
11月5日は、夜神月の眠った日だよね、という話。
でも、いくら宣言されても、Ｌは生きていると思ってます。
耳を澄ませば心音が聞こえる。

2006.11.05
水野やおき

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