七転八倒堂

「でもオレだけじゃ、不公平ですから。綱吉さんも、名前で呼んでくださいよ」
「・・・お、オレも？」
「そうです。山本は呼び捨てなのに、オレには『くん』がついてんですよ？言いたい事せっかく言ったんだから、ついでに言います」
「・・・えーと・・・」
「イヤ、ですか」
「い、いや、イヤじゃないんだけどっ・・・恥ずかしいっていうか・・・」
　しゅーん、と耳が垂れてそうな気がして慌てて、首を振る。
「オレだって恥ずかしかったんスから、お互い様です。さあ、どうぞ」
「・・・・ιさあって言われても・・・。こう構えられると、言い難いよ・・・」
「・・・むー、じゃあ近い内に言ってくださいね。それじゃ、帰りましょう」
　はい、と手を差し出されて、戸惑い獄寺の顔を見る。
「え、えと」
「手ぇ繋ぎましょうって事です。」
　名前を呼ぶようになって、なんだか、少し大胆になったような気がする。
「ほら、早く。」
　掴み損ねた手を、獄寺は容易に伸ばして、攫って行く。
　ぎゅっと握られた手が、暖かくて、ツナは思わずにやけてしまった。
「あ、１０代目、何ニヤケてんすか」
「獄寺くん、戻ってるよ」
「綱吉さんがオレの名前呼んでくれないからです」
「えー・・・？」
「この手、絶対離しませんからね。綱吉さんは、オレが守りますから」
「アリガト。・・・あのさ。」
「はい。」
「ビアンキからも、守ってくれるの？」
　笑って言うと、獄寺は分かりやすいくらいむくれて、それから言い切った。
「守ります。」
　ツナの笑い声と、獄寺の拗ねた声が、無人になった公園に微かに残って消えた。

おわり。

オマケ。

「姉の事をなんて思ってんのかしら、隼人は。ねえ、リボーン」
「まあ、いいことだぞ。ファミリーの結束がよくなったんだからな」
「リボーンがそういうなら・・・」
「う～ん、獄寺のヤツ、見掛けによらず奥手だなあ・・・」
「ガハハハ！」

　公園の茂みには気をつけましょう。

今度こそオワリ☆

■あとがき■
えー、？年前の代物をひっぱりだしてきた水野です。
友人に捧げさせてもらったのですが…、よくこれを受け取ってくれたなーとか思いました！恥ずかしくて、ハートが痒いです（笑）

再アップ　2007.02.10

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