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頷いて、さてどこに座るべきかとギルベルトは迷った。彼女の両隣は空席だ。しかし、彼女には男がいて、そして多分それは、フランシスが時々話す、アーサーと言う名の独占欲が強く、乱暴者な幼なじみだろうと見当をつけた。 悪友であるフランシスが目の前にいるワケだし、流れとして隣に座っても悪く無いのだろうが、フランシスの幼なじみと揉めるつもりは無い。 そこで、一つだけ席を離して座ったら、フランシスが「あれっ？」と首を傾げた。 「どうしたのギルちゃん？」 「…いや、」 「隣に座ればいいのに」 「おい、フランシス無理強いすんなよ」 「えー？無理強いじゃ無くない？」 「バカ、お前がんな事言ったら断り辛いに決まってんだろ。…その、悪いな」 「えっ…いや」 「俺もうすぐ食い終わるから」 「えー」 「いやっ、ちょっ…！誤解た誤解！」 いきなりの男言葉に驚いている間になんか話を纏められてギルベルトは慌てて口を開く。２対の目がこちらを向いた。 「別に気を使わなくていいからな…俺、こんなんだし、嫌われるの慣れてるし」 「だから違ぇって！そりゃその言葉遣いはちょっとびびったけど、すげぇ可愛いし魅力的だって！それに初対面の数十秒で嫌うとかそうそうねぇから！だからそうじゃ無くて、アレだよ！…その、彼氏に悪いだろ！」 「？！何ソレ！！お前彼氏いたの？！お兄さん知らないんだけど！！誰なの？！どういう事なのっ？！なんでお兄さんにちゃんと報告しないのっ？！」 「いねぇよバカッ！っていうか何で一々お前に報告しなきゃねーんだよ！」 「何？！お兄さんに隠さなきゃいけないような子と付き合ってんの？！酒の過ち？！そんなのお兄さん許さないよっ」 「お前は俺の兄貴かよっ！つーかだから誰とも付き合ってねーって言ってんだろーが！！」 「だってギルベルトが！」 慌てて否定すれば、それを切欠に騒ぎ出してギルベルトは茫然とした。何だか話についていけない。 そしてその内容になんかおかしいなと違和感を持ちだした所で２対の目に答えを求められて、ギルベルトは動揺しながら口を開いた。 「…え？いや…お前の幼なじみ…」 「「は？」」 「いや、だからアーサーって…」 そこまで答えた所で、この店の様相にそぐわない大爆笑が響き渡った。 「…ああ？」 なんだこの失礼二人組は。 ギルベルトがこめかみに青筋を立てて頬をひきつらせたあたりでまず彼女が笑いから復帰した。 「いや、すまない。名前で男とかニューハーフに間違えられた事はあるが、自分の女に間違えられた事はなかったから…」 目尻の涙を拭いながらそう告げられて、ギルベルトは頭に特大のクエッションマークを浮かべて眉間に皺を寄せた。言ってる意味が分からない。 「あー、笑った笑った！あのねーギルちゃん、それお前の勘違いだから。こいつがアーサー・カークランドだから」 「……………は？」 「こいつの兄の悪戯でさ、うっかり男だった時用ので提出しちゃったらしいんだよ。後ですぐ性別は変更出来たんだけど、その時ちょっと名前の変更でトラブって結局このままでさ。だからしょっちゅう間違われてるし、本人も面倒くさくて男として振る舞う事も多かったから、こいつこういう喋りなのよ」 「じゃあ、お前が言ってた独占欲が強くて、乱暴者な幼なじみって…」 「ちょっ！ギルちゃん！！」 思わずポロリと零してしまったフランシスがかつて言っていた言葉を耳にして、アーサーはとってもいい笑顔を浮かべてフランシスを容赦なく殴り倒して。 ギルベルトは、何故かその素晴らしい切れ味のアッパーカットを目撃して、アーサーという名の女相手に恋に堕ちたのだった。 ＥＮＤ ◆ 後書きという名の懺悔 ◆ どうも、最初の話を書かないと気が済まない性質なので、全く萌えられない話ばかり書いてすみません。 というか、 またか！また英がにょなのか！！って話ですよね。 …ごめんなさい…。 なんでかなぁ…普英はどうしても英がにょたになりがちです。なんでだろう…。 私的に、英にょたの普英って凄く書きやすくて、 私×普英＝英にょた がデフォルトという構図が出来上がりつつあります。 しかし、毎回のようにどうして英が女の子なのに『アーサー』という名前なのかという事情を考えなければならないので、そろそろ引き出しがすっからかんで困りますね。 普のバイトはイメージ的に建設業って気もするんですが、 意外に配達業も似あいそうだな、とかも思いました。 普や英が普通に大学生をやっていたら、とか、考えるととっても楽しいですね（＾＾） 本当はもっと色々やりたいんですが、 何せ色々抱え過ぎているので、とりあえずこれで終わりです。 また気が向いたら別の場面を単品で書いたりしたいなぁ、という気はします。 書きたい話が他のシリーズ含めて色々あるけど、まとまらないし、時間も足りない！ orz 普英はてら少女漫画的ないちょいちょをさせたいので、ついつい英がにょたってしまいますが、 これでも一応、普通の英さんも書いていたりはします。（しかし、普通を強調しないといけないほど、にょたばかり書いてるってｗｗｗ） 普通の普英も大好きなんだよ～～～！何故か優先的ににょたの方が筆が進んでしまいがちなだけで…。 （現代パロで男同士だと、『男同士』を優先させてしまいがちなので、あんまり甘いの書けないっていうが原因の一部ではある…。） しかし（私の中の）英受けの中では、普英になると一気に糖度が上がるというか、普英は糖度が高いと思っているからか、なんかこう、あんまり英が腹黒くカッコよくならないんですよね…。仏英だとボコリ愛なので、英が極めて腹黒くなりがちなんですけどねｗ 普英は甘いんじゃないか、と思っている要因の一つとして、普の「お前役に立つのかよ？」 英「あいつよりはな」だったかな。あれは結構キましたね。なんとなくあの頃の英さんは「お前誰に向かってモノ言ってんだよ」くらい言いそうな気がしていたので、…うん。普英は露出が少ない分、英のデレしか見ていないので、自分の中で確実に激甘の認定書が押されてしまった感があります。 さて、今回はこの辺で。最後まで読んでくださって有難うございます♪ いつも感想とか、本当に有難うございます。更新する元気でます。 次回はらぶ３の続きの予定…ですかね！（まっ、予定は未定ですけども！(｀･ω･´)） それでは、少しでも楽しんで頂けることを願って！ 2012.07.09 ≪new[3] NOVEL back≫ [0]TOP。 |